「宝田明のナレーションに泣ける!」ドキュメンタリー沖縄戦 知られざる悲しみの記憶 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
宝田明のナレーションに泣ける!
先日TVで観た『沖縄スパイ戦史』にも共通していたことですが、「軍隊は住民を守らなかった。皇民化教育の恐ろしさ」を強調していて、かなりインパクトがありました。冒頭ではブッダの言葉がテロップに流れ、浄土真宗本願寺派(西本願寺)の製作という珍しい映画には違いないのですが、宗教色は全く感じさせず、多くの人が体感できる作品になっていました。
まずは地上戦が開始される前に、大本営は沖縄を捨て石にするという覚悟だった事実。まぁ、これはよく知られていることでしたが、そのあとに、学童疎開輸送を行っていた対馬丸が米潜水艦の魚雷を受けて沈没、タイタニッククラスの1484人が犠牲となった。この史実を生き残った平良啓子さんによるインタビューで語り、その生々しさに胸が引き裂かれるような思いになりました。
防空壕については知花昌一さんによって詳しく語られ、現存する二つの壕を映し出す。特に母親が娘の首に包丁を刺したという話は痛々しい。また、渡嘉敷島での集団自決のエピソードも随分研究されていることがわかる。手榴弾を2個持たされて、1個は敵に投げ、ダメだったら自決用にと・・・
また、防空壕でのエピソードでは敵の捕虜となってもいいから、生き延びよという訴えも感じられます。鬼畜米英という言葉で洗脳された民間人は、生きて辱めをうけるなら自殺を選ぶよう教育され、天皇陛下のために命を捧げるよう教えられた。米兵が日本人の傷を手当している映像が物語っているのですが、逆に日本兵に殺された民間人も多い事実・・・友軍というのは嘘だったのか!
映像やエピソードについても今まで知らなかったことも多かったし、生々しい死体も初めて見る写真が多かった。沖縄戦についてはNHKドキュメンタリーでもかなり見てきたつもりだが、作り手や証言者が違うと、また新たな発見がある。直接体験した証言者たちも高齢のため、後世に悲劇を伝えていくために次世代の人に観てもらいたい作品でした。
きりんさん、ありがとうございます。
逆になぜ拡大公開されないのか不思議なくらいです。
浄土真宗主催の映画なのに宗教くささが全く無くて、「生きよ」というテーマがひしひしと伝わります。
金沢はいい映画館が身近にあっていいですねー
こちらは電車で2時間かけて長野市まで行かなきゃこの手の作品はダメ。でもなんとかして観たいなぁ。
「ああ、学童疎開船対馬丸」という歌を生で聴いたことがあります。独唱の女性歌手はぼうだの涙を流しながら歌っておられました。
歌い終わって紹介されて僕の斜め後ろの席で立ち上がってこちらも涙で頭を下げておられたのが平良啓子さん、その人でした。
衝撃でした。
kossy さんのレポートのおかげでこの映画の存在を知りました、ありがとうございます‼️