「「実際に彼がいた」という点がキモ」アングスト 不安 ナオさんの映画レビュー(感想・評価)
「実際に彼がいた」という点がキモ
これは、記録映画だ。
って思った。
思考パターンの記録映画。また観たい。
最初から、主人公は精神状態がおかしい。
冷静じゃないし、客観視が出来てない。
主人公の語りで物語は進んでいくけど、アレは後日の取り調べで語ってる台詞、という事なのかな?
とにかく、主人公の心理状態、
そういう心理状態の人間が、この世にはいるんだ。
という事が、「いそうではあるな」(実際いた訳ですが)っていう感じがして、とにかく怖い。
ストーカーとか「あの子は僕(私)の事が好きなんだ」って言ったりする。って言うじゃないですか、
主人公の繰り返す「完璧な計画」っていうのが、全然完璧じゃない行き当たりばったりで、完全に妄想というか、空想というか…。
主人公が、「こうあるはずだ」「こうあって欲しい」の世界で生きてる。
っていうのが分かって、すごく怖い。
最初の女性二人を誘って、犯行に及ぼうとするけど、最後まで見た後だと「いや、お前失敗するよ、声掛けても」って観てると思うし、
最後の状態でも、思考があんまり変わらないのね、
「こんな状態だから、不審がられるだろう」って思考に全然ならないの。
それが怖い。
自分の生育歴のせいだ。
って彼が独白するところで、心臓がギュッてした。
虐待を受けて育ったら、
虐待をするんだろうか。
って。
自分はそう思わないけど。
これは、殺人鬼の思考パターンの記録だなぁ、と思うけど、
「自分の空想の世界に生きてて、実際の事を捉えるのが苦手な人間」っていうのは結構いるから、
そういう人は、
「もうやめてくれ…」
ってなって、しんどい感じが、すごいいいんじゃないですかね?
って思いました。(自分の事だよ…)(ちゃんと事実に目を向けて生きていきたい)