「神無月の鑑賞でしたが、どうやら縁も結べませんでした」神在月のこども グレシャムの法則さんの映画レビュー(感想・評価)
神無月の鑑賞でしたが、どうやら縁も結べませんでした
せっかくアニメの世界観に浸ろうと思って見ているのに、作り手のほうからわざわざ現実的な感覚に引き戻すような無理筋な展開なので白けてしまいます。
弥生さんを無理やりにでも安静させなかったお父さんの方こそ後悔と自責の念で精神的にダメになってるのが普通だし、それ以前に、外に連れ出すことを良しとしていた父の判断のことを考えれば、カンナが自分を責めるのは筋が違うわけで、むしろカンナは母を失った悲しみを父への憎しみでバランスを保つという親子関係の崩壊と修復こそがテーマに思えてきます。
例えば、自分の過ちを後悔するだけでなくカンナにも不必要な精神的重荷を背負わせてしまった父、その父を憎むことで母の死を乗り越えようとするいびつさに支配されてしまった娘。
私にはまったく違う物語が浮かんでしまい、カンナには、母から受け継いだ素質を認識することで、『天気の子』の陽菜のような責任感と個人的な生活との間に生じる葛藤で、悩み成長して欲しかった、なんでことまで思ってしまいました。
まだ小学生の子どもにそこまでは無理でしょう、と分かってはいるのですが。
さんざんなことばかり書いてしまいましたが、ざっと10人以上はいたと思われる子どもたちは、飽きたり泣いたりしてる様子はなかったので、お子さまやお孫さんと見に行くのには、特に不都合がないレベルなのかもしれません。
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Uさんさんのコメント
2021年10月11日
コメントを大変に有り難うございました。
その通りですよね。有無を言わせない迫力・魅惑・怒濤の疾駆があれば、それで万事、済んだかも知れません。
そうしたら、ラストの韋駄天姿も何倍も輝いたでしょう。
おっしゃられて、ポニョのあの騒然とした海の嵐のシーンを思い出しました。