「レッツハロウィンナイト!」ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷 KinAさんの映画レビュー(感想・評価)
レッツハロウィンナイト!
刺激に飢えた若者たちよ、造り物じゃない恐怖を存分に味わってみよ!!
趣向に凝りまくったカラクリお化け屋敷をばっちり体験できる、楽しいアトラクションホラー。
漂う不穏も不気味さも、「お化け屋敷」という造り物前提の舞台が違和感を消し去り、ターゲット達はやすやすと手のうちに入ってくる。
ちょっとした恐怖体験のつもりが、本物の死に追われて叫び惑うことになろうとは。
恐怖感と焦燥感はそんなに強くないけれど、殺人鬼たちのビジュアルや舞台の特殊さによるワクワク感が大きく、わりとご機嫌に楽しめた。
襲われる登場人物たちのキャラクターもポップで好き。
良い騙されっぷり、良い焦りっぷり、良い殺されっぷりであった。
お化け屋敷に入る側もハロウィンの仮装でゴテゴテしているのがまた目で見て楽しいよね。
そしてこの映画の一番の魅力は、なんといっても超個性的な殺人鬼たちでしょう。
仮面を外して見える素顔、仮面より怖い素顔に本当に興奮した。
マスクをかぶった殺人鬼は歴代ホラーにおいて大勢いるけれど、その下にある顔の造形で言えば一番凝っているんじゃないかしら。
殺人鬼たちが何でこんなことをするのか、何がしたいのか、何が欲しいのか、ふんわりしている点も好き。
一応の目的はチラッと触れられるけれど、そのためにこんな大掛かりなお化け屋敷をつくる必要なんてどこにも無くて。
ああきっと性癖なんだろうな、きっとこういうのがマジで大好きなんだな…と考えると胸キュンが止まらない。わかるわかる!私も仲間に入れて!それか追っかけてきて!
個性的な面々の中、誰が一番好きかな…と考えるのも面白い。ボスっぽいピエロも赤いマントの巨人滾るよね。
でもやっぱり、私の推しは可愛げ溢れるミッチーかしら。
「ここが俺の見せ場じゃー!」とばかりにやたらと素顔見せたがっていたの、最高にキュートじゃない。その後の残酷な仕打ちも含めて好き。
敵か味方か分からないときのどきどきも最高よね。
全体的に楽しさに溢れていたけれど、なかなか畳みかけて来ないところが残念だった。
顎骨粉砕の華麗なバッティング、ヒロインのトラウマ、消えた友人の行方など、バッチリ伏線回収してくるストーリーは面白いのだけど。
もう少しヒィヒィさせてくれないと、ホラーとしては物足りなさが残ってしまう。
ストーカーもどきの彼氏の扱いが雑すぎて笑った。
あれもうちょっと生かして活かしておいたらもっと面白かったのに。
結構なイケメンだったのに未練ゼロかね。
ハロウィンの夜の物語なので、どうせなら10月後半に観たかったなーと少し思った。
だって今年はハロウィン集会できないじゃない?(そもそもそんなにしてないけど)