劇場公開日 2020年7月31日

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「いっちゃったニコラス」カラー・アウト・オブ・スペース 遭遇 bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0いっちゃったニコラス

2023年6月11日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

ニコラス・ケイジと言えば、90年代から2000年代には、一流のハリウッド俳優として、ヒット作にもたくさん出演していたが、このところは、B級だろうと、C級だろうと作品を選ばず、何でもかんでも出演している傾向がある。一説によれば、借金が膨らんでその返済と言われているが、本作も決して、意味ある作品とは言えなかったが、そこそこのSFミステリーとし仕上がっていた。

ストーリーは、都会暮らしに疲れて、穏やかな田舎暮らしを始めた一家が主人公。そんな一家の庭にある夜、眩い光を放った隕石が落下する。その出来事以来、その家族には、様々な異変が心身に起こり、互いに対する疑心暗鬼が生まれ、身の毛もよだつ悪夢と惨劇への一歩を踏み入れることとなる。

本作では、クリーチャーに洗脳されて、完全にいっちゃったニコラスの演技は見もの。そして、前半は、ナイト・シャマラン作品のようで、人物設定も一人一人が訳ありで、流れる音楽も怖さを煽り、不穏で、ミステリーな空気観を漂わせている。そして、なかなか正体を明かさないクリーチャーにも興味を引くような展開となっている。

後半は、クリーチャーの正体も明らかになる中で、SFホラー要素も高まり、グロさも交えた衝撃的な一家の末路へと導かれていく。

但し、それほどの新しい映像や展開というわけではなく、B級どまりの作品という点は否めない。その分、ニコラスが必死の演技で取り組んでいるという点で、観る価値はあったと思う。ヒット作での、ニコラスの復活を待ちたいと思う。

bunmei21