ホテルローヤルのレビュー・感想・評価
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盗聴は犯罪です。
釧路の郊外にポツンと建つラブホテル「ローヤル」の終末期と、そこの娘で後を継いだ娘の話。
廃墟となったローヤルに、カメラマンとヌードモデルが撮影にやって来て、そこからホテルのその昔のお話しへと展開していく流れで、札幌の美大の受験に失敗し、将来に迷う主人公だったが、母親が業者の若い男と駆け落ちしたことから、ラブホテルのおかみとなっていく中、様々な客が現れて…というストーリー。
客としてみせるのは惰性感とどこか微笑ましさを感じる熟年夫婦と、最早ストーリのメインになりそうな、両親に捨てられた女子高生と不倫する嫁に何も言えない高校教師という殆ど2組。
そして、惰性と仕方なくで始めた仕事だけど、性格を映した几帳面さは感じる仕事っぷり。
だけど、心は感じられずという主人公。
伊藤沙莉と冨手麻妙は本日2作目じゃないかw
そして安田顕が出て来るとコミカルなことやりそうな感じだけど、今回はありません。
出来事としては、あらすじに書かれているところが殆どだけど、他の登場人物に主人公が共感し、という流れはなかなかユニーク。
少しコミカルでガチガチではないけれど、しっとりとアイデンティティを考え向き合うと共に、前を向く物語が、哀しく優しく力強く、なかなか面白かった。
原作からまるまる感動を抜き取るシュールな作品に震撼した‼️❓❓❓
原作にいたく感激したので、この映画には、とても不可思議な疑問を感じました。
これほどドライでクールで、滑りまくるコメディのような、なんででしょうか、わざとでは無いのでしょうね。
やはりキャスティングが絶妙なのでしょう。
まず、心中する先生と女子高生、まるで漫才のコンビみたい、見た目と、話し方だけで、笑いが止まらん。
波瑠は、人造マネキンみたいな顔で、無表情、セリフ棒読み、ケンイチとの会話がとてもシュールでアバンギャルド。
もしかしたら、コメディ‼️
きれいごと
大分前に読んだので内容は殆ど忘れたが、原作が大変良かったので観に行ったものの、正直言って期待外れ。ホテルオーナーや従業員の家族の人生の色々がよく描かれている部分もあるんだけど、ネタバレしないように一言で言うと「きれいごと」過ぎる映画。まあ主演が波瑠だから、しょうがないんでしょうね。殆ど東京のセットで撮ったのだと思ったら、監督のこだわりでわざわざ釧路まで行って撮ったそうですが、どこが釧路(特に自然)なのか全然分からなかった。武監督の「百円の恋」はあんなに面白かったのに、残念!記憶が正しければ、エンドクレジットで余、友近やメインスタッフが大きくクレジットされておらずかわいそう。一方、安田顕などのクレジットは長過ぎる。
主人公・ホテル
オープニングが良くないんだよね。丞威と冨手麻妙のシーンは必要なのかな。
そして過去に戻って波瑠がようやく出てくんの。ここからキャラ紹介になるんだけど、テンポが良くないのと、エピソードがそこまで面白くなくて退屈なの。
内田慈と正名僕蔵が出てきて、お客さんのエピソードになってからが面白いの。内田慈が出てきたときは「渋いぜ、キャスティング」と思ったね。いい俳優をうまく使ってんの。
伊藤沙莉と岡山天音のエピソードがクライマックスかな。ここのマスコミ対応の松山ケンイチかっこいい。
「このホテル自体が主役の一人」が監督の意向であったらしいんだけど、主役の一人というか主人公だね。ホテルが観た人々が描かれてる。それを淡々と眺める映画だと解ってから面白いんだけど、そこまでに時間が掛かったな。
ラストも波瑠のアップで一気にエンドロールにいって欲しかったんだけど、ロングの画が入って「なんだろう」感あった。エンドロールにつなげるにはロングの画が必要なんだとは思ったけどね。
シーンの切り替えをせずに時間を変える脚本と演出は良かったな。
あと音楽。心情を説明する台詞が抑えめだから、音楽が語ってるんだよね。選曲が合ってて良かった。
文学作品の映像化で、そんなにカタルシスはないけど、こういう映画に豪華俳優陣がそろうのもいいなと思ったよ。
ラブホテルはドラマの宝庫
たしかにラブホテルって、いろんなカップルのいろんなドラマの宝庫でしょうね。
ただお金を払って映画館で観るとき、すごい泣けたとか、すごい笑えたとか、すごいほっこりしたとか、すごいかっこよかったなど特別な感動を求めてしまいます。この映画、どのエピソードもけしてつまらないわけではないのですが“すごい~”という形容がどれも当てはまらない感じ。
もちろんこういう淡々と描いた感じの映画の味わい方もあるわけですがそこは好みの問題かもです。
ところでラブホテルのバックルームって、あんなに部屋の話し声や喘ぎ声が聞こえるものなのでしょうか?
あと伊藤沙莉さんがどうしても女子高生に見えずに大人のコスプレに見えてしまい困りました(笑)。
作品の背景に関する考察
荒涼とした釧路湿原に面した
高台にあるラブホテル。
経営者の一人娘として育った少女の
鬱屈した日常と
ラブホに非日常や逃げ場を
求めて訪れる客や
両親、従業員らが織りなす人間模様が
繰り広げられる。
作品では波瑠演じる主人公中心に
生々しい裸の人間の姿が
オムニバスに描かれるが、
登場人物たちが暮らす地域の歴史や
社会背景にはほとんど
触れられていない。
しかし、実はここを知ると
物語は深みを増し、
蜜柑の意味も鮮明に見えてくる。
ラブホが作られたと思われる
昭和の後期、
釧路は北洋漁業の基地として
日本一の水揚げを誇った。
良質の石炭が採れる海底炭鉱。
力強く白煙を吹き上げる製紙工場。
霧と湿原で有名な釧路だが、
もともとは
漁業・石炭・製紙の三大産業の
隆盛により栄えた都市である。
昭和の経済成長期から
平成のバブル期にかけて
釧路の繁華街は泡銭を手にした
漁師や炭鉱夫、
工場労働者で大いに賑わった。
女たちは街一番の高級百貨店、
丸三鶴屋で
流行りのブラウスや高価な果物を買い
子どもたちは最上階の大食堂で
お子様ランチをほうばる…
それが市民の幸せの証だった。
エンディングで若き日の主人公の父親が、
母親に食べさせたいと箱入りの蜜柑を
買う秘話が明かされるが、
この蜜柑を買ったのが
市民自慢の丸三鶴屋だった。
百貨店での買い物は
忙しい毎日の中のささやかな贅沢であり、
買ったものを誰かに贈るのは
最大級の愛情表現でもあった。
蜜柑は夢を抱いて
ラブホ経営に乗り出した
両親の愛と夢の象徴であるとともに、
街が最も輝いていた
時代の象徴でもあるのだ。
作者は釧路出身で実家がラブホ。
丸三鶴屋と蜜柑には作者の
深い郷愁の念が込められているのではないか。
当時、釧路には
ディスカバージャパンのブーム以降、
本州や道内各地から人々が押し寄せ、
観光も重要な産業になっていった。
観光客が目指すは神秘の摩周湖や
タンチョウ舞う釧路湿原。
人口も増加して交通量が増えたため
幹線道路が急ピッチで整備されて
人や車が激しく行き交い
街は活気に満ちていた。
映画「幸福の黄色いハンカチ」で
武田鉄矢演じるキンちゃんが
フェリーで降り立ったのが
ちょうどあの頃だった。
一発当てようと目論む輩は
土地がただ同然の安価な
郊外のロードサイドで素人商売を始めた。
ラーメンと豚丼しかない
急ごしらえのドライブイン。
怪しいアイヌの民芸品や
マリモのキーホルダーを売る土産物屋。
悪趣味な装飾のラブホやモーテルも
次々作られた。
舞台となったラブホは、
そんな時代に産声を上げた。
時は流れ、平成、令和へ。
二百海里規制で北洋漁業は壊滅。
エネルギー政策の転換で炭鉱は閉山。
経済の大黒柱を絶たれた街は
光を失っていった。
昭和59年の最盛期22万だった人口は
今や16万台に。
景気の悪化と少子高齢化で中心街は
空き地だらけになった。
主人公の父親が蜜柑を買った丸三鶴屋も
平成8年廃業に追い込まれた。
多くの市民が職を失い、
生活保護世帯が増加。
若者はみな札幌や東京へ
出て行ってしまった。
残された者たちは
仕事はないが時間はあるので酒や色事、
パチンコにのめり込む者が後をたたず。
作者は残酷なまでに落ちぶれて行く
街の姿を間近に見てきたはずだ。
作品の中では、
両親の不倫や従業員家族の犯罪、
行き場を失った教師と教え子の心中等
ド底辺のエピソードが描かれるが、
釧路では実際に十分起こりうる出来事だ。
なのでこの作品の世界感は
釧路で生まれ育った作者の記憶や実体験、
地域社会への不安と
深く結びついているのではないか。
物語のエンディングで
主人公は若かりし両親が築いたラブホを廃業。
閉店した丸三鶴屋に別れを告げ
新たな人生をスタートさせる。
現実にも昭和の時代に作られた
家や会社、工場、学校、食堂、飲み屋が
廃墟と化し
釧路の街は開拓前の原野に戻りつつある。
そんな中、
最後の頼みだった製紙工場も
デジタル化とコロナの猛威により
操業停止に追い込まれた。
まもなく街にはトドメが刺される。
美しい風景とは裏腹に
人々は貧しくとも道徳的でなかろうとも
あの希望に満ち溢れていた時代の
記憶を胸に
必死に土地にしがみついて生きている。
エンディングで夜空に光り輝く
ホテルローヤルの看板。
それは栄枯盛衰を経た釧路の街で
ラブホの娘として育った作者の
青春そのものだと思えてならない。
どうした?武正晴監督
武正晴監督の作品なので、観てみたが、どうした?武正晴監督、といった感じ。
監督自身の強烈な葛藤が作品から感じられない。
売れっ子になって真正面から批判してくれる人が周りにいないのか。
なぜなのか?全体的に浅い演出。さらっと撮ってる印象。
とはいいつつ、好みの感じの女性が主人公なのは確か。なんかこう思ったことは口に出せずにいて、それでいてちゃんと物事をとらえていて、感受性の高そうな。痩せ型で上品そうな顔立ちな女性。こんな女性が自分にももっているはずの性をさらけ出そうとして、実感を得る感じ。この葛藤を見れるんじゃないかとの期待はしていた。
特に周りのカップルが展開する群像劇は演出が浅く感じられて、これなら主人公とその家族にもっとカットを割いてほしいと思った。
景色や本物のホテルの感じのロケはよいだけに、もっと波瑠が演じた女性の表情、日々の暮らしの表情がみたかった。
主人公の描き方、薄いでしょ?
原作未読で鑑賞。
うーむ、原作ってこーいうお話なのかな?
どーなのかな?
結局この物語は何を語りたいのか?わからずに終了。
あるホテルにまつわる、様々なエピソードの羅列に過ぎないんですよね、そういう受け方しか出来なかった。
クライマックスに主人公がなんとなーく、まとめ的な発言と行動に出るんだけど、唐突感が酷い。え?そんなことがポイント?みたいな。そこに疑問呈するなら、もっとポイント絞って描きなよー、前半にっ!
だから、なんの感情も生まれなかった。主人公に対してもホテルに対しても。
さらに、感動話にまとめたいの?的な最後のエピソード。えー?主人公が溜めてきた想い、そんな都合良い感じで終着させて良いのですか?
エピソード単体は良い。
しかし、それらが織りなして「何」を描くのか?の部分がやたら弱い。
武監督作品、アンダードッグと本作両方みたけど、エピソード織りなしての「何」が共に薄い。残念。
期待してたけど全体的に残念だった感じ
波瑠さんと伊藤沙莉さん目当てで観賞。
波瑠さんは大人し目のキャラと言う事もあってあまり見応えが無かった感じ。
でも後半のセリフの無い演技は良かった。
伊藤沙莉さんは学生役。セリフや行動がしっかり過ぎて学生らしくない(笑)
予想外に良かったのが松山ケンイチさん!
大人のオモチャの営業マンなんだけど、全ての行動がカッコ良い!
ストーリーはホテル従業員や客の人間ドラマのオムニバス系。
それぞれのストーリーには関連性があるんだけど、その繋がりが甘い感じで全体的に纏まりが無かった印象。
ラストの展開はなかなか良かったと思うので観て損した感じはありません(笑)
釧路湿原の美しい風景を期待してたけど、その良さをあまり表現されていなかったのは残念だっところ。
ホテルの窓から見える湿原が美しいんだけど、ラブホより観光ホテルの方が集客は上がるのにと思ったのはわたしだけでは無いはず(笑)
後半で上手く纏めていたけど自分的には可もなく不可もなかった作品の印象。
映画とは言え客室を盗聴出来る設定は如何なものなのか?
気になります( ´∀`)
非日常の中の日常は静謐で心地よく
善きにつけ悪しきにつけ、人・物・事には終わりが来ます。その瞬間は何故かもの悲しいですね、しみじみしてしまう。
選曲も良かったですね、「白いページの中に」、心が洗われるようなそんな清々しい感覚になりました。
波瑠さんに白がとっても似合って、抑えた演技、今までで一番良かったです。
波瑠のために作られたかのような作品
『さくら』と連続して鑑賞したが、ホテルローヤルの家族の方になぜか親近感を持ってしまう。人間的な弱さ、身勝手さを持ちながらも家族のつながりをギリギリまで追い求めるところがより深い業みたいものを感じてしまう。
舞台は昭和と思いきや現代の釧路のラブホテル『ローヤル』での人間模様が繰り広げられる。ラブホテルに置くための大人のおもちゃを販売する営業マンに恋してしまう波瑠が演じる主人公の田中雅代。そりゃ礼儀正しい好青年だからね。この初恋を軸に話は進んでいくが、もともと短編集だった小説とは思えなくらい違和感なくきれいにまとまっていた。
理不尽な環境に置かれながらも、家族のためにラブホテルの仕事をビジネスライクにこなしていく主人公は、波瑠にぴったり。クールに見える雅代の内面をたたずまいで表現している。反面、爆発したときのセリフの切れ味がとてもよい。
最後に雅代はこう思ったはずだ。人の気持は移ろいやすい。それは人間の性でもあるから責めることはできない。だた、その瞬間での思いはまぎれもない真実であり、記憶の底にあり続ける。その思い出を大切にして生きていこう。
【異なる風景】
いつも同じところから眺める湿原。
日々SEXが繰り返される部屋。
だが、見る角度を変えると、また違った風景がみえるかもしれない。
人によっては、
出発の地だったり、
生きる糧を得るところだったり、
愛を確かめる場所だったり、
快楽に耽るところ、
そして、
死に場所だったりするように。
名前ひとつ取ってもドラマがあるのだ。
昔、小学生の頃、田舎の僕の町のハズレに、ラブホテルが建った。
そこから少し先にある川には、釣りに行く人も多く、たまに小学生が遠足に行って河原で豚汁を作ったりもしていた。
だが、地域で抗議の声が上がるでもなく、大人たちは、「今度行ってみようか」とか、ひそひそ話をニヤニヤしながら、していたのを覚えている。
遠足で近くを通って、学校の先生に、あれは何と聞いても、ニンマリ笑うばかりだった。
スキー場があって、温泉地だったことから、観光客が使うのかと幼いながら思っていたが、少しして、エッチなことを理解するようになると、3世代同居だったら、声出せないもんなと、地元の大人が多く利用しているのだと理解した。
そして、若者の性も、不倫も全部飲み込んでいたのだ。
同じ風景も、年齢がいったら、理解が異なることもある。
同じ場所でも、話す相手が違えば、思い出も異なる。
それは、とても重要なことだし、でも、だからといって、そこにとどまって過ごさなくてはならないということでもない。
そんなバランスのなかで僕達は生きているのだ。
特報の雰囲気より本編がよい
最初にこの映画はラブホに関わる人の
人間ドラマであり変な期待は持たないで
見て欲しいです
キャストが良いので映画に深みをましている
気がします
人間ドラマなので人それぞれ感じ方も
違うので良し悪しは分かれそうですが
観るものが無いなと思われたら
見てみると良いですよ と進めたくなる
映画だと思います
砂利道を歩くような人生
人生な影響を与えるのは
親であったり
配偶者である
親の子育てが酷いばかり
経済的だけでなく
精神的も生きづらさを抱えて生き続ける。
所詮他人かもしれない配偶者との関係を
大切にしないばかりに
人生を脱線させることがある。
嫌なことからは「逃げる」
逃げて明日を生きることは良いこと。
一生懸命に生きて、働いて、良く寝て
また生き続けよう。
見逃した
舞台挨拶つき公開初日観ました!
道民としては、ヤスケン出てるし、北海道釧路の話だし、観とこうと思って観ました。
話の流れは淡々と流れます。
感情移入とかはあまりしなかったです。
ヤスケンの年を重ねていく、工程がメイクのおかげもあるのですが、演技とても良いです。
エンディングロールのヤスケンも良い。
ラストの今と昔の交錯の書き方が良かった!
なぜホテルにみかんの意味🍊
姉と一緒に鑑賞したのですが、姉が、マツケンと波瑠のベッドシーンに、心中した2人が鏡越しに映っていたそうです!
心霊かと思ったそうですが、、、
監督やるな!笑
わたしは見逃してしまいました泣
悲しい💦
伊藤沙莉ちゃんの北海道弁が一番良かったです♬
マツケンは、最初が青森訛り出てたかなぁ。
ヤスケンの演技一番良かったかも。
波瑠ちゃんの冷めた演技笑えました。
舞台挨拶も面白くクスクスみんな笑ってました。
演技をしていない波瑠ちゃんめっちゃ可愛くて綺麗でした。
良かったです
原作の世界観を損なう事なく、
映画化されていて良かったです。
夫婦、親子のあり方、
色々考えさせられました。
子供が生まれてくる親の喜び、希望が
ラスト上手く描かれてました。
若者にはチト難しいかなぁ笑
桜木志乃さんの原作に助けられてた。
誰か「ラブレス」映画化しないかな。
人を騙す理由をつけることができなかったんだね・・・
予告編が流れてたときからずっと歌手もタイトルも思い出せずにいたけど、懐かしさがこみ上げてきました。オリジナルは柴田まゆみの「白いページの中に」。78年のポプコン出場曲であり、この曲でデビューするも、シングル一枚のみで事実上引退した。多くの歌手にカバーされている。個人的にポプコンも出場したことあるけど、予選落ち・・・あぁ、懐かしい(涙)。コッキーポップも。
考えてみたら、78年に青春時代を送った世代、89年の『魔女の宅急便』にハマった世代、現在の廃墟マニアの世代と、様々な世代の方が共感できる映画かもしれません。波留、安田顕、夏川結衣、余貴美子、斎藤歩と、俳優の演技も見事。
ストーリーはホテルローヤル関係者や客の群像劇風でもあるけど、波留演ずる娘の10年に渡る切ない日常生活が描かれていました。非日常を求めて貯めたパート代でやってくる普通の夫婦、ともに不倫によって崩壊した家族を持つ先生と教え子、などなど。人生の悲哀を通して、自らの愛を投影したのだろうか、彼女の心情を白ペの歌詞が物語っている。
アダルトグッズ営業マン役の松山ケンイチとの最後の日、そして終盤の現在と過去が繋がる流れがグサリと胸に突き刺さる。両親のこと、自分のこと、そして将来のこと。不倫を描くシーンが多かったけど、彼女は同じことを経験してしまうのだろうか・・・きっと大丈夫。失敗しても、自身の半生、思い出を胸に抱きしめ、長い長い坂道を登っていってほしい。
予告編では見ないつもりだったけれど
予告編では設定にどこかあざとさを感じて、見ないつもりだったけれども、非常にセンスのある映画だったと思う。見てよかった作品。描き過ぎない省略の手法がよく効いている。セリフや冗長なシーンに頼らず、ショットで説明する巧さがある。余貴美子さんや夏川結衣さんなど、目で語らせているのが巧い。波留さんも抑制的な演技がよかった。
全体的にぬるい
グランドホテル形式の少しずらした描き方だが、世界観がものすごく小さく感じる。
登場するカップルの人生を、短い時間で描いていくわけだが、これが非常に薄っぺらい。
生々しさも艶っぽさも、哀しさも悦びも表面的。
俳優がみんないいから見れちゃうけど。
さよなら歌舞伎町を思い出して、あの映画のなんとも言えないラブホテル臭みたいな、生々しさ。
そういうのを映画から感じたいんだな〜
原作は発売当時読んでほとんど忘れちゃったけど、色んな人の秘事を、ホテルだけが見てきた…という感慨が良かった記憶。
それを、娘の10年間と成長物語として構築したのでしょうが、なんか凡庸な家族映画になっちゃった。
だいたい、ハルの外見が変わらなすぎて何年経ってるのかさっぱりわからんかった。
なんで日本の映画ってもっと外見的な作り込みをしないんだろう。
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