「滑稽で良いもの」ホテルローヤル アンディ・フクさんの映画レビュー(感想・評価)
滑稽で良いもの
当事者になれず透明人間みたいな主人公。何かあれば変われるかと思えば、人生そう簡単に変わらない。
ラブホテルで繰り広げられるストーリー、本人たちにはドラマでも、傍から見れば滑稽なもの。だけど、身も心もさらけだす瞬間って、大事な大切な良いものなんだよねぇ。
ショートストーリーを一本にまとめたから散文的でまとまりなく見えるけど、
ラブホテルの日常をドライに切り取って良かった。湿っぽいとただの昭和映画になっちゃう。
余貴美子さん、ヤスケン、良かったなぁ。あとの役者さんたちも。
波留さんの白いスリップ姿に違和感(あのシーンなのに頑なに体を出したくないみたいな)はあったけど、痛いくらいささやかな初恋がよく似合ってた。分かってるんだか分かってないんだかなマツケンも格好悪くて良かった。
主題歌がノスタルジックで映画に合っていてとても良い。
セックスで良い思い、嫌な思いしたことある大人には、あれこれ思い出したり考えたり染みる映画。
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