「波瑠のために作られたかのような作品」ホテルローヤル bionさんの映画レビュー(感想・評価)
波瑠のために作られたかのような作品
『さくら』と連続して鑑賞したが、ホテルローヤルの家族の方になぜか親近感を持ってしまう。人間的な弱さ、身勝手さを持ちながらも家族のつながりをギリギリまで追い求めるところがより深い業みたいものを感じてしまう。
舞台は昭和と思いきや現代の釧路のラブホテル『ローヤル』での人間模様が繰り広げられる。ラブホテルに置くための大人のおもちゃを販売する営業マンに恋してしまう波瑠が演じる主人公の田中雅代。そりゃ礼儀正しい好青年だからね。この初恋を軸に話は進んでいくが、もともと短編集だった小説とは思えなくらい違和感なくきれいにまとまっていた。
理不尽な環境に置かれながらも、家族のためにラブホテルの仕事をビジネスライクにこなしていく主人公は、波瑠にぴったり。クールに見える雅代の内面をたたずまいで表現している。反面、爆発したときのセリフの切れ味がとてもよい。
最後に雅代はこう思ったはずだ。人の気持は移ろいやすい。それは人間の性でもあるから責めることはできない。だた、その瞬間での思いはまぎれもない真実であり、記憶の底にあり続ける。その思い出を大切にして生きていこう。
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kossyさんのコメント
2020年11月14日
先生と生徒の関係ってのがストーリーを重厚なものにしちゃいましたね。
キャバ嬢になれるくらいじゃないと、人間関係においてうまく生きられないのかもしれませんw
最初、余貴美子の息子が松山ケンイチに似てた気がしたのですが、誰だったんでしょ・・・