劇場公開日 2020年11月13日

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「人を騙す理由をつけることができなかったんだね・・・」ホテルローヤル kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0人を騙す理由をつけることができなかったんだね・・・

2020年11月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 予告編が流れてたときからずっと歌手もタイトルも思い出せずにいたけど、懐かしさがこみ上げてきました。オリジナルは柴田まゆみの「白いページの中に」。78年のポプコン出場曲であり、この曲でデビューするも、シングル一枚のみで事実上引退した。多くの歌手にカバーされている。個人的にポプコンも出場したことあるけど、予選落ち・・・あぁ、懐かしい(涙)。コッキーポップも。

 考えてみたら、78年に青春時代を送った世代、89年の『魔女の宅急便』にハマった世代、現在の廃墟マニアの世代と、様々な世代の方が共感できる映画かもしれません。波留、安田顕、夏川結衣、余貴美子、斎藤歩と、俳優の演技も見事。

 ストーリーはホテルローヤル関係者や客の群像劇風でもあるけど、波留演ずる娘の10年に渡る切ない日常生活が描かれていました。非日常を求めて貯めたパート代でやってくる普通の夫婦、ともに不倫によって崩壊した家族を持つ先生と教え子、などなど。人生の悲哀を通して、自らの愛を投影したのだろうか、彼女の心情を白ペの歌詞が物語っている。

 アダルトグッズ営業マン役の松山ケンイチとの最後の日、そして終盤の現在と過去が繋がる流れがグサリと胸に突き刺さる。両親のこと、自分のこと、そして将来のこと。不倫を描くシーンが多かったけど、彼女は同じことを経験してしまうのだろうか・・・きっと大丈夫。失敗しても、自身の半生、思い出を胸に抱きしめ、長い長い坂道を登っていってほしい。

kossy
bionさんのコメント
2020年11月14日

そうなんです。僕も写真には写っている息子が松山ケンイチに見えて混乱しちゃいました。

bion
bionさんのコメント
2020年11月14日

「人を騙すことに立派な理由をつけることができる」って言葉が印象に残りました。
生きる知恵でもありながらも、不器用な人はそれができない。なんか切ないですね。

bion