「月光の聖者達」護られなかった者たちへ ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
月光の聖者達
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去年あたりに今作の情報を知り、東日本大震災をテーマにした作品が続々と出てきているなぁとひしひしと。
今作、サスペンス要素と人間ドラマの配合が上手で、134分という時間の長さを感じさせない作品でした。
擬似家族的な要素もふんだんに盛り込まれていて、それでいて見せ方は完全なひとつの家族みたいで素敵でした。倍賞千恵子さん演じるけいさんの優しさにずっとずっと包み込まれていました。佐藤健さんの避難所でのダッシュはるろ剣を彷彿とさせる今作のテーマとは違うアクションが光るシーンでした。
今作の遺体の描写もこの手のサスペンス作品としては珍しいもので、縛られた状態、しかも遺体の損傷は無いという餓死が死因という放置するというのはとても斬新でした。
生活保護の有無をテーマにしており、不正受給で車を乗りこなす勝手な者、不正受給でなんとか塾に通わせようとする母親、受給自体が恥だと考える者と、多種多様な考えが渦巻いています。自分自身その境遇に至った事がないので分からないことが多いのですが、数十年後にどうなるのかが分からないので、学びの一環としてとてもタメになりました。
役者陣全員の熱演がお見事で、汗滴る表情、険しくも優しい眼差し、と顔から伝わる演技がお見事で佐藤健さんの善悪が混同している感じが素敵でした。余談ですが、清原果耶さんの制服姿が可愛いすぎました。
ラストの犯人像には少し驚かされましたが、ここまでの道のりを辿っていくと妥当だなと思いました。守ると護るの違いが分かっていく良作でした。
自分の頭じゃ追いつけない部分もあったので、もう一度見てこようと思います。
鑑賞日 10/2
鑑賞時間 12:15〜14:40
座席 H-14
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