「3人の生き方、3つの時代」滑走路 コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
3人の生き方、3つの時代
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しみじみいい作品でした。
いじめや自殺、非正規雇用の問題が奥底に敷かれ、3人の人生、3つ(いや、4つ?)の時間が重なって、織り成していく。
生きていくことの難しさに、正面から向き合った内容でした。
時代を行ったり来たりするため、描いた時代がいつかなのかを読み解くのに、努力が必要となる部分もある。
キャラを掴む以外にも、画面の色調(過去は少し退色したフィルムっぽい)や、出てくる小道具が役に立った。
電話器、服のデザイン、ミュージシャン……
特に、テレビの形がわかりやすかった。
ただ、同時に3人の年齢や年代に「?」の山になりました。
3人が中学2〜3年の頃に、「ビートルズが聴きたい」ってセリフがあったから、1960年代後半?
中学生の彼らが公園で見上げる飛行機が、今2020年頃に運行しているタイプっぽい。
そのうちの1人が幼児の頃を撮ったビデオが出てくるが、映すテレビの型が1980年代前半のブラウン管カラーテレビ、再生するカメラの画質がVHS。
彼らが大人になって、うち一人が厚生労働省で働く25才の青年になって出てきたが、厚労省が出来たのが平成の世(2001年以降)。
20代後半〜30代前半に成長し、切り絵作家となったヒロインが手にしていたのが、LINEの使える現行(2019年以降)のスマホ……
ヒロインの個展が、メインの舞台から4〜5年後……
はて、それぞれの時代は「何年」なのだろうか?
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