「ある意味都合の良い映画。 そういう映画もあっていいじゃない。」東京の恋人 kizkizさんの映画レビュー(感想・評価)
ある意味都合の良い映画。 そういう映画もあっていいじゃない。
ポスターがなんとなく気になって見てみたら大正解!めっちゃよかったー。
誰かが”ノスタルジーのオーバードーズ”と評してたが…なるほど。
東京の昔の恋人に会ってデートして不倫して昔のビデオを見て…ってな男の夢を東京60WATTSの曲に合わせて心を揺さぶる映像作品に。
男なら一度は夢を見るシチュのオンパレード。
昔の彼女と……にはじまり、大学の先輩の家に止まる。スナックのママに色目を使われる。会社の先輩と飲みながら人生を語る……など。
一番好きなシーンは、元彼女と好きだった曲を歌いながらドライブするシーン。
あぁ、わかるぞー。
主演の川上奈々美さんはAV女優。でも役者としても活躍しているらしく良い演技。
天真爛漫に見えて底に一寸の悲しさも見える…足立梨花とかに通じる空気が素敵
彼女のリアリティある仕草が今作を輝かせている一番のポイントと言っていい。これが駄目だとすべての説得力がなくなる。
劇中では東京60WATTSの曲がいくつか流れます。タイミング、選曲が絶妙。
あさましくも描けそうなストーリーが曲のおかげでキラキラしてました。
曲自体の持つ魅力と、”音楽”と”想い出”がリンクするチカラが効果的に働いてる。
音楽担当としても活躍する監督ならでは。
ミニシアターは社会人…20台後半~40台の客が多いだろうけど、そんな人こそ刺さる作品だと思います。
昔を思い出して。
無くてもこんな想い出があったら素敵だったろうな、と思えて。
で、今の自分の背中もスッと押してくれる。
ある意味都合の良い映画。
そういう映画もあっていいじゃない。
想い出をキラキラと描く良作。
心がガッと沸き、嫌な後味は残さない。
予告編を見てピクンとした人は楽しめるはず。
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