「究極の解放」ミッドサマー ディレクターズカット版 あかりさんの映画レビュー(感想・評価)
究極の解放
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ディレクターズカット版を公開初日に鑑賞。
不穏な雰囲気の中、花々や衣装など彩りの美しさに心を少しずつ乱される。
話が進むほどに足元からぐらぐらと揺らされるような感覚、主人公達が口に運ぶ、何かのハーブを混ぜた妖しげなティーを自分も飲み下している気すらしてくる。
観終わってから暫くは、自身もトリップしたような心持ちが続いた。鑑賞後にこんな気持ちになったのは初めて。
アリ・アスター監督ならではの意味深なカメラワークが多い。グロなどショッキングなシーンもあるが、ホラーというよりは「別離と再生、一種の希望」を描いた(特殊な人達の)ヒューマンドラマのように感じた。
ホルガ村にとってはどの死も意義のあるもので、強盗殺人や通り魔・銃乱射のテロ行為などで理不尽に命を奪われることはないんだろうな…少なくとも今回犠牲に選ばれなかった村人達にとっては。
2時間50分の尺でも長いと感じる事はなく、ぐいぐい引き込まれる。むしろもっと長くてもいいから、ホルガ村の人々が普段どんな暮らしをして穏やかに幸せな日々を送っているのかを見せてほしかった。
カルトなりの歪んだ幸福…そんなものはないのかな…?
常時トリップして正気を失い続けていないと、
カルト集団の中では暮らせないのかもしれない。
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