「観測者と被観測者」アイヌモシリ すけさんの映画レビュー(感想・評価)
観測者と被観測者
アイヌ人というアイデンティティと、そう見られることについての違和感と葛藤を感じられるような作品だった。特に、子供の目線でどのように考えがなされているかに焦点を当てたように私には思えた。子供からすればただ生まれた先の家が「アイヌ」だっただけであり、それを継承するも何も…と言った場面もちょくちょく見られた。個人的には、観光客の在り方から、自分たちの向き合い方について考えさせられた。日本はよく単一民族であると信じられており、そのために観測者と言った色が「日本人」一般に強くなると感じる。相手の文化を考えた上での非干渉というのも必要である。現代日本においてアイヌの人々がアイデンティティを完璧な形で保持することは現実的には難しいかもしれないが、残すことに拘らなくても良いのかもしれないと、子供たちを見て感じた。これも観測者の視点から語られているのかもしれないが。
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