「アイヌの信仰か、アイヌが信仰か」アイヌモシリ Bacchusさんの映画レビュー(感想・評価)
アイヌの信仰か、アイヌが信仰か
阿寒湖周辺のアイヌを売りにした観光地で、中学生の自我が目覚め始めた男の子が、イオマンテを通じアイデンティティの在り方を求め考える話。
今はどうなんでしょう…自分らの世代では当該地域出身の人の話を聞く限り、自身が持つ劣等感から差別や偏見、子供ならイジメにも展開してしまう様な存在だったアイヌの人達。
その伝統や文化を謳っている作品で、そこに批判的感情はないけれど、主人公の機微は正にそういうところに対する反感と迷いで、大人達にモヤモヤ。
今時の何にも判らない人達でも無い様な「日本語上手いですね」の表現の卑屈さに違和感を覚え、何も教えずの子熊の件は、だから共感を得られないし離れる人が出て来るんだろう!という苛立ちを感じる。
文化や信仰を否定する気は更々ないんだけど、批判もされるよねと思ってしまう。
そして、話は進行して行き、そこでオカルトですか…。
必要だったり、意味や意義があれば残るし、そうでなければ廃れるし、それで良いと思うのだけれど。
自分はドライ過ぎですか?
それを子供に説明出来なければ、それはもう良いのでは?と思ってしまう。
結局、納得したのか、納得しないけど受け入れたのか、洗脳されたのか、はたまた抱えたままなのか、ボカされてしまってすっきりせず。
アイヌ文化を伝えたいのだろうし、映画としてはわかるけれど、自分的には響かず。
寧ろ逆効果寄り。
文化や信仰と、それを取り巻く昨今の情勢を考えるという意味では意義があったかな。
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