「ずっと苦しかった」空白 ちいかぶさんの映画レビュー(感想・評価)
ずっと苦しかった
万引きした女子高生を追いかけ回した結果、
起こってしまった凄惨な事故。
少し鈍臭い子だなぁと思ってみていたら、不注意で飛び出して轢かれて亡くなってびっくりした。
事件が起きてからは店長の家はどんどん汚くなって、
父親の漁は全然うまくいかずにゴミばっかり。(怪我もするし、、)
父親はまず店の対応がおかしかった、と責める。
そのあとは事故とは関係のない学校を責める。
誰かが悪いと決めつけないと心を保てなかったのかも。
店長は小心者でただひたすら事が収まるのを待っていたけれど、父親が何度も訪ねてきたり執拗に追いかけられて精神的に追い詰められてしまう。自身の父親の電話からも逃げて、花音ちゃんの死もどこか自分のせいではないと思い続けていたと思う。(インタビュー時「店側が責められ続けるのもおかしな話」みたいなことを言っていたから)
担任の先生は中々ひどいことを言っていたけれど、花音ちゃんが不慮の事故で亡くなるまでは自分がひどい言葉を投げつけていたことに気が付かなかった。
メディアは最低過ぎる。店長の真摯な発言をカットして悪編集。勝手に転んだインタビュアーも転ばされたみたいに捏造して。何も信用できないね。
万引きをした花音ちゃん以外は全て偶然起こったことで、
まず万引きをしなければ起こらなかったことなんだけれど、それでも死んだ人は責められない。
店側の対応がちょっとしつこかったのもあるけれど、
何度も万引き被害に遭っていたら次に万引きしたい気持ちを削ぐという意味でも厳重注意したかったのだろう。
防犯カメラはきちんと録画すべきだと思うけれど。
生きていた頃は娘のことを理解しようとせず、話も聞こうとしなかったのに亡くなってからは絵を描いてみたり好きだった少女漫画を読んでみたりと父親が娘を理解しようとしているのがうーん、と思った。
担任が生徒たちに聞き取り調査をするのも、父親が娘を理解しようとするのも、パートのおばさんがボランティア活動に精を出すのも全て自己満足だなぁ、って。
ボランティア活動を一緒にしている女の子は第二の花音ちゃんなんだなーと思ってみていた。おそらく友達とランチへ行ったあとにビラ配りに参加したり、一生懸命頑張っているんだけどどこか鈍臭い。
私の周りにもこういった頑張っていても鈍臭い人がいて、毎回毎回イライラして指導する声もだんだん厳しいものになっているので、気を長く指導しようと思った。頑張ります、
父親も店長も最後に光が当たって少しずつ前へ進めるような演出があって良かった。
画の構図とかがすごく上手いなーと思った。
他の方のレビューには中々共感できるものがなく、
人によって感じ方がこうも変わるのかと面白い。
色々思う事があってまとまりがないのですが、すごく考えさせられました。面白かったです。