「古田新太さんの演技に『道』のアンソニー・クインを観た」空白 運だぜ!アートさんの映画レビュー(感想・評価)
古田新太さんの演技に『道』のアンソニー・クインを観た
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本映画の主役を演じた古田新太さんの「凄まじさ」に恐怖ならびに畏怖の念を覚えました。こんな「くそ人間」の近くに行きたくないと思わせるのです。粗野で、乱暴で、無教養で、人と話す時はすべて“恫喝”まがいの怒鳴りつけモードです。しかも、タチが悪いことに「自分を持っている」のです。その自分とは社会的に不適合者である性分なのです。本当に関わりたくない人間なのです。古田さんは劇団出身ということで、あらゆる役柄を演じてきたからこそ、達成された「くそ人間」なのでしょう。本映画には現代社会が抱える様々な問題が内包されています。「毒親」「パワハラ」「小児性愛者」「いじめ隠蔽」「マスコミ」など。さらに身近にいる「街角の正義マン」と「ボランティア押し売り人間」です。監督の吉田さん自身の脚本です。ただ、色んな諸問題を詰め込みすぎて、ボヤけてしまっている感も否めません。わたし的には「毒親が招いた悲劇」として、完結して欲しかったです。それにしても、古田新太さんの演技はフェニーニの『道』でザンパノを演じたアンソニー・クインを彷彿させる熱演でした。
『運だぜ!アート』のluckygenderでした
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