「皆が被害者で、皆が加害者」空白 みゆうさんの映画レビュー(感想・評価)
皆が被害者で、皆が加害者
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タイトル通りです。
父親は娘を殺された被害者でスーパーの店長を必要以上に追い込んだり生前の娘とちゃんと向き合わなかった加害者。店長は万引きされた被害者で娘を死なす原因を作ってしまった加害者。軽自動車の運転手は娘を轢いてしまった加害者で精神的に追い込まれた被害者。一概に誰が悪いとは言えないのがこの作品です。
が、個人的に加害者ではあるけど被害者とは言えないのでは?と感じたのはトラック運転手とマスコミ。
トラック運転手はまあ、意図的に轢いたわけではないのである意味被害者と言えるんでしょうが、あの事故に関わった人の中で唯一父親に謝ってないんですよね。
父親も、何故店長ばかり責めて直接的に殺してしまったトラック運転手を責めないのかが不思議に思いました。
あと、一番ムカついたのはマスコミの報道の仕方。都合のいいように切り取ってありもしない事実をでっちあげる姿はとても醜く、でもこういうことが実際に起きてるかもしれないんだなと思うとゾッとしました。
途中まではただただ胸糞な映画でしたが、最後の方で父親が恨むこと以外に目を向けたり、店長も感謝の言葉を投げかけられたりして救いが少し見えたのがよかったなと思います。
人は人によって追い込まれ、人によって救われる。そんなメッセージを感じられた映画でした。
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