劇場公開日 2020年8月22日

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「オッコトヌシとバンビ」僕は猟師になった kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0オッコトヌシとバンビ

2020年12月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 京都大学で10年間、紛争地域に出向いたりしたが、生きる目標を見失っていたという千松信也さん。ようやく“罠猟師”という天職を見つけ、運送業のバイトをしながらイノシシやシカを獲っている。動物とはいえ、命を貰うのだから余計な殺戮はしない。家族と近所の人が食べる分を獲ったら、それ以上は無駄な殺生はしないのだ。

 最初はイノシシを獲って捌くというショッキングな映像。二人の幼い息子もそれを手伝うという光景はかるーくカルチャーショックを受けてしまいます。そして、ちゃんとしたルールも存在し、罠も12センチ以下という法令に基づいて行っている。元々は動物好きだと言う千松さん。自分たちが食べる肉は、他人が殺した動物だということに疑問を持ち、自分が食べるものは自分で狩るという信念のもとに猟師になったのだ。

 しかし、さすがに小鹿が罠にかかったのはショック!奈良のシカやディズニーの『バンビ』が好きな人は見ちゃいけない。かるーくショック死してしまいそうです。いや、でも食べてみたい。そして禁猟期間中は養蜂生活。このハチミツも欲しくなってしまいます。

 そんなショックの連続の中、野生動物による農作物の被害が年間160億に及ぶとか、害獣処理施設の実情を知ると心が落ち着いてきました。こうなったら、もっと捕獲してまえ~!と、逆に応援したくもなってきますが、それは別問題。とにかく心臓一突きで安楽死させる手腕やけもの道にやたら詳しい千松さんに尊敬の念を抱いてしまうのです。

 古来からの自然の摂理、捕食、そして手塚治虫の『ブッダ』さえ思い出してしまうほど、人間と動物の神聖な関係を知らされました。そして覚えた言葉“ヌタ場(蒐場)”。これも人間に食べてもらうための神聖な行為に思えてしまった・・・動物に向き合うこと、命に向き合うこと。大切なことなのですね。蛇足の疑問・・・長女の紹介がなかった気が・・・

kossy
寝落ちマン(次男)さんのコメント
2020年12月3日

印象的なシーンありましたね〜📗
『ハニーランド』もちょっと観たかったので羨まし

寝落ちマン(次男)
寝落ちマン(次男)さんのコメント
2020年12月3日

ブッダは虫も殺さなかったのか‥🤔 一寸の虫🦟にも五分の魂であれば、鳥インフルエンザで何万羽も殺処分すれば大殺戮😱
蚊やゴキブリも本当は…嗚呼、悩ましい🤨

寝落ちマン(次男)
talismanさんのコメント
2020年12月3日

kossyさん、千松さんの本、読んでて見たいと思ってまだ見てない映画です。Rushのへんてこレビューにコメントありがとうございます。

talisman