「行け行け!川口浩」樹海村 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
行け行け!川口浩
毎度おなじみ水曜スペシャルの川口浩探検隊。世界各地の秘境を探検する中でも富士樹海のシリーズが記憶に残る。学生時代に、多くの同級生・後輩もアルバイトで樹海探索に参加していたようだ。その後も色んなテレビスペシャル番組で探検モノとして樹海が選ばれていたけど、川口浩にはかなわない!熱量が違うのだ!と、樹海といえば川口浩という印象しか残ってない。実際にドライブしたこともあるけど、風穴などがあって夏はとても心地よい・・・心霊スポットなんてまったく感じられない観光名所だ。
ただ、この映画は前半がものすごくつまらない。幼い姉妹を見つけた國村隼のエピソード、アッキーナというネット配信チャンネル、そのアキナを捜索するYouTube視聴者たち、とにかくどれも中途半端な描き方なのですが、収束するのは後半に入ってから。そのための布石エピソードでしかないのです。
樹海村の存在がテーマなのか、「コトリバコ」と呼ばれる不気味な箱が主体なのか、響(山田杏奈)の能力がメインなのか・・・と思っていたら、結局主人公は響じゃなくて姉の鳴(山口まゆ)だった気がする。響の何かが見えるという設定も恐怖シーンにはならないし、あの人はどうなった?とエピソードもなおざりなのだ。
登場人物も次々と増えるし、安達祐実や原日出子、ドランクドラゴン塚地という意外な俳優も使っている。ちょっと気合が入ってるなぁ。笑えるキャラとしても寺の息子真二郎とかド腐れゾンビというのもあった。塚地の死に方はちょっと凄い!
ストーリーはたいしたことないのに、寺が燃えるシーン、さらに犯人宅に対するバッシングといったカット、そして次々と人が死ぬシークエンスにプラスして“人”から“木”へ変化する映像が不気味でもあり美しさも感じるところ。映像は面白い。さらに終盤には『呪怨』シリーズにも通ずる時空を超えるような展開が面白いのです。ママの存在、視聴者たちの絶妙なタイムスリップ、そして何といっても左の薬指を切るところ・・・指のトリックも見逃すなってな感じでした。