「姿の見えない人間の醜い本性は透けて見える。」透明人間 レントさんの映画レビュー(感想・評価)
姿の見えない人間の醜い本性は透けて見える。
正体不明の相手に主人公が追い詰められながらも、徐々に相手の正体を暴いてゆくというのはサスペンスの王道。そんなサスペンスとまさに文字通り正体不明の透明人間というSFの古典的題材を組み合わせた秀作。
透明人間と言えばバーホーベンの「インビジブル」が強烈なインパクトがあった。かの作品は最新CG技術を駆使して見えないはずの透明人間をあらゆる手法で視覚化した点で見ごたえある作品に仕上げられていた。特に透明化していく過程を映像化した点が斬新だった。
本作はそれとは対照的に透明人間をあくまで古典的な手法で描いており、見えない相手に主人公がじわじわと精神的に追い詰められていく様を、まさに見えない透明人間というキャラクターを活用して見事なサスペンスに仕上げている。
果たして姿が見えないのか、あるいは本当に存在していないのか。起きている現象はすべて主人公の妄想によるものなのか。作品中盤あたりまで観客にも真実がわからないように展開するのでサイコサスペンスとしてもかなり楽しめる作りになっている。
男の持つエゴイスティックな女性への独占欲、支配欲はたとえ姿を隠してもその本性までは隠すことはできなかった。
ラストはそういう愚かな男たちへの強烈なアンサーになっていて容赦がない点もさすが。
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