「おもしろい!が、後味が悪いかな…」透明人間 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
おもしろい!が、後味が悪いかな…
透明人間というタイトルに誘われ、SF展開を期待して鑑賞してきました。ところが、予想外のサイコスリラーで、チキンな自分にはけっこう刺激的でした。事前情報なしで臨んだのでしかたないですが、おもしろかったので結果オーライです。
物語は、DV &束縛男エイドリアンとの生活から逃げ出したセシリアが、数奇な事件を乗り越えて自由を手にするまでを描いています。セシリアの計画的な脱出が描かれる冒頭から、緊張感MAXの展開で心臓バクバクでした。そして最後まで、多少の緩急はあるもののほぼ緊張しっぱなしの2時間でした。
今時の作品なのでCGはあたりまえですが、姿は見えなくても、吐息や足跡などで「確かにそこに存在している」と思わせる、透明人間の見せ方が緊迫感を高めていました。加えて、じりじりと追い詰められるセシリアの恐怖心を感じさせる、主演のエリザベス・モスの迫真の演技が秀逸でした。
終盤でのどんでん返しもあり、最後まで飽きさせない展開もなかなかよかったですが、ラストシーンはちょっと残念でした。まあ、これも一つの締め方として、ありと言えばありです。でも、万が一、セシリアの見立てが間違っていたとしたら、シャレにならない終わり方です。それなのに、彼女の行為をジェームズが肯定的に捉えたところに違和感を覚えました。うーん、最後は後味の悪さが残ったかな。
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