「言葉に焦点を当ててるのが面白い」マルモイ ことばあつめ リブレさんの映画レビュー(感想・評価)
言葉に焦点を当ててるのが面白い
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日本統治下の話。この時代を描いた映画はわりとよくありますが、この映画は言葉集めに焦点を当てているのが特徴的だと思います。
劇中に出てくる、同じ「殴る」でも言葉が二つあって、その言葉がなければどっちも「殴る」に収斂され、その行為の差異は無視されてしまいます。言葉があるから「殴る」でも別々の行為として認識できるわけで、言葉がなければ無いのと同じです。言葉を禁止するというのはその言語で生活している文化全体をなきものにする恐ろしいものだと思います。
そういう言葉の面から統治下の映画を作るというのは新しいと感じました。
また、こういう特定の言語の使用を禁じるのは、沖縄の方言札の例もあるように国家間の話だけではなく、地方に対してだって抑圧はありますが、劇中で方言の収集にも力を入れていて、単純に朝鮮と日本の対立構造にするだけではなく、地方の違いも尊重するという、言葉の問題に大変真摯に向き合ってる作品だと思いました。
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