「埋もれさせるには勿体ない作品」瞽女 GOZE ミカさんの映画レビュー(感想・評価)
埋もれさせるには勿体ない作品
瞽女さんの事を恥ずかしながら本作で初めて知りました。ハンディを持って生まれてきた子供を自立させるひとつの方法として唄があったんですね。その唄は、庶民の日々の暮らしに楽しみや彩りを与えた。芸術の持つパワーやハンディのある女性が置かれていた環境を描いた作品として、沢山の人が勇気づけられる作品だと思います。
フジ親方や手引人の歪んだ人柄もサワ親方の仏の様な人柄も上手く描かれていて、人間はそう単純ではないですよね。目が見えないハンディによって受けた様々な出来事は人を歪ませる事もするし親切にもする。また、山を越えるって現代の登山服や登山靴を履いていてもハンディが無くても相当大変なのに、目が見えなくてあの格好でやっていたのが想像を超えます。他所の家を転々とするのも肉体的にも精神的にも相当な負担ですよね。
洋画では芸術家を描いた作品が良く公開されていますが、この日本でも伝統芸能を描いた作品が公開されてとても嬉しく思いました。しかも瞽女さんが主人公だなんて、埋もれさせるには勿体ない作品だと思います。貴重な日本文化を描いているので、国外でも評価をされる作品ではないでしょうか。
コメントする