「ヘムズワース版『ランボー』」タイラー・レイク 命の奪還 bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
ヘムズワース版『ランボー』
Netflixオリジナルの配信作品で、『アベンジャーズ』の雷神『マイティー・ソー』でお馴染みのアクションスター・クリス・ヘムズワース主演のサバイバル・アクション。『アベンジャーズ・シリーズ』のスタッフが集結して製作しただけあり、息をもつかせぬノンストップ・アクションで、見応えある激しい死闘を繰り広げていく。嘗て、シルベスタ・スタローンが演じた『ランボー』を彷彿とさせる内容だった。
『ランボー』と通じているのが、ヘムズワース演じるタイラー・レイクが、ギャングに誘拐された少年を奪還し、自分が盾となり命を守り抜くという使命を受けて、たった一人で、ギャング団と警察を相手に立ち向かう所。また、孤高の傭兵として、拳銃、ライフル、機関銃に手榴弾、ロケットランチャーまでぶっ放し、悪を何百人と薙ぎ倒していく爽快さにもある。そして、撃たれて、斬られてどんなに傷ついても、死なない不死身のヒーローとして投影されている点にもあるだろう。
ムンバイの裏組織のボスの息子が、敵対するバングラディッシュのダッカを支配するギャングに誘拐された。その息子の救出の命令を受けた裏組織の傭兵タイラーは、そのギャングのもとに1人乗り込む。そして、見事に息子の奪還には成功する。しかし、仲間の裏切りもあり、ギャング団やそのギャングの息のかかった警察からも猛追を受ける、何度も命を落とす絶体絶命の危機に見舞われながらも、敏腕な殺傷能力を駆使して、息子の命を守り、切り抜けていく展開。
舞台となるのが、バングラデッシュのダッカというのは、これまであまり映画の舞台として観たことが無かった。そんな街並みの中を、弾丸が雨霰と飛び交い、車や街並みを吹っ飛ばし、クライマックスの川に架かる橋の上でのゲリラバトルは、見応えがあった。しかし、映し出されるダッカの街は、情勢も不安定で、貧富の差も根強く残り、衛生面の整備もまだ十分には行き届いていない暮らしぶりに映った。
ストーリー自体は単純で、次々と繰り出される、ヘムズワースの激しいバトル・アクションに引き込まれる。次作も既に配信されているので、近いうちに観たいと思う。
