色男ホ・セクのレビュー・感想・評価
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女性に束の間の自由をもたらした男の妓生
男の妓生というものが実際に存在したのかどうかわからないが、この設定が当時の女性の苦難をあぶり出している。儒教の影響下にあった李氏朝鮮時代、女性は厳格なまでに貞淑に生きることを強要されていた。夫が亡くなって寡婦となった後も亡き夫と家族に尽くさねばならない。烈女という概念に縛られた不自由な女性たちが、男の妓生に通う時だけ、束の間の自由を享受している。男には癒しの場がたくさん用意されているのに、女には許されないのはおかしいと言うホ・セクの主張は説得力がある。
妓生は、高級官僚などを相手にするから、芸事には秀で、知識も必要な職業だったが、当時妓生は卑しい身分とされていた。しかし、ホ・セクはわざわざ身分の低い職業をやることをためらわなかった。彼にとって妓生は家族だったからだ。
2PMのジュノがはまり役だ。タイトル通り「色男」ではなくては務まらない役柄だが、彼にピッタリだったと思う。
やさしい映画
宣伝文句の通り、笑って泣けて切なくて最後はしみじみする映画。ストーリー展開が上手い。舞台は妓房だが色っぽいシーンは全く無い。親子で観ても気不味くならない(笑)
監督は女性かと思ったら男性で驚いた。それほど女性の心情に寄り添ってくれるストーリー。登場する女性達のみならず、観客も癒してくれる。男性にも是非観て欲しい。いや、女性に対してだけでなく、登場人物全員に対する監督の眼差しが優しいのか。
ジュノはどんな役も努力で自分のものにしてしまう。可愛らしさも、格好良さも、いたずらっ子の感じも、この主人公はまるで当て書きのようにしっくり馴染んでいる。
相棒のユッカブも、ライバルも、それぞれの誠実さが愛おしい。
ささやかなオマケが有るのでエンドロールの最後の最後まで、席を立たないで。
純愛物語
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