劇場公開日 2022年11月11日

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「【和やかさとは一線を画した、微妙な関係性を持った母娘のもやもやした物語。幼き時は懐いていたのに、何故に溝が出来たのか・・。井上真央さんの演技が光る、静かで哀しき作品である。】」わたしのお母さん NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5【和やかさとは一線を画した、微妙な関係性を持った母娘のもやもやした物語。幼き時は懐いていたのに、何故に溝が出来たのか・・。井上真央さんの演技が光る、静かで哀しき作品である。】

2022年11月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

難しい

ー 時折足を運ぶ「刈谷日劇」が製作に加わっているというので、「刈谷日劇」にて、鑑賞。-

◆感想<Caution!  内容に触れています。>

・長女(井上真央)は、母(石田えり)の前では、笑顔を見せない。
母は、末っ子(笠松将)の家で暮らしていたが、ボヤ騒ぎを起こし、居づらくなり長女の家に”一時的に”越してくる。
ー 長女を演じた、井上真央さんが、刈谷駅で母を見た時の視線の動かし方が凄い。
  母を認識した後に、微妙に目をずらし、母が長女に気付き”おねえちゃーん”と声を掛けて、初めてぎこちない笑顔を浮かべる。
  この時点で、長女が母をどう思っているかが一発で分かる。-

・活発な母は、隣の家の人見知りだった5歳の女の子とすぐに仲良くなり、友達も出来る。
一方、長女はどうも人づきあいが苦手なようだ。
ー 二人の性格の違いを仄かに見せている・・。-

・そんなある日、母の大量の荷物が長女の家に送られてくる。それを聞いた次女(阿部純子)は怒り、母を慰める意味も兼ねて、3人で旅行に出る。
ー 末っ子の妻とは上手く行ってなかったことが分かるし、旅行中も長女は余り楽しそうでない。ー

・結局長女の家に本格的に同居する事になる母。マンションの廊下一杯の段ボール。母の部屋を開けるため、長女夫妻は、ベッドのある部屋に移動する。窮屈そうである。
ー 長女の心も、ドンドン息苦しさを増してくる・・。-

・スーパーで働く長女は、店長が辞める事になり、送別会に出るが、憂さを晴らす様に飲めないビールを煽り、酔いつぶれ、深夜に帰宅すると、母の罵声が待っていた。
そして、そのまま家を出る母。
だが、母は末っ子の家で、寝床に入ったまま、世を去る。
ー 母の葬儀の間も、涙を見せない長女。だが、一段落して母の鏡台の前の口紅を唇に塗った時に
”私、お母さんが嫌いだったんだ・・”と呟き、涙を流す。-

<小さい頃は、母に懐いていた長女。だが、長じてからはやりたい放題の母への不満が募っていく様を、井上真央さんが、絶妙に演じている。
 資料には杉田監督のコメントが載っている。
 ”もやもやした母と娘の関係を掘り下げて描きたかった”とある。
 井上真央さんを筆頭に俳優さん達の演技は見応えがあるが、何だかもやもやした気分になってしまったよ・・。>

NOBU
iwaozさんのコメント
2023年2月5日

是枝監督の「幻の光」以来の
静寂が印象に残る映画でしたね。
井上真央、阿部純子、笠松将に
石田えりのキャスティング最高でしたね。本当の家族にしか見えない。
ナイスでした!^ ^

iwaoz
iwaozさんのコメント
2023年2月5日

こういう女を武器に世の中を渡ってきた推しの強いお母さんって、結構、いますよね。f^_^;
そして大概、義娘、実娘に嫌われている。やっぱり、表での顔と普段の家での言動が違うし、何か外の活動で忙しく、家にいない。
やっぱり幼い子どもは寂しいし
お母さんみたいになりたくないと
思ってしまうのでは。。(><)
でも愛情過多のお母さんだから
良い時も知ってる訳で、本当は
好きでいたかった。悲しいことです

iwaoz
カールⅢ世さんのコメント
2022年11月15日

刈谷日劇とテアトルなどが製作しているのに、テアトルでは上映していません。刈谷日劇と聞いて、NOBUさんをすぐに想いましたが、すでに観賞済みとは。井上真央がレジ係のスーパーに毎日通いたい❗

カールⅢ世