オーバーナイトウォークのレビュー・感想・評価
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下北沢から新宿まで。過ぎゆく街並みと共に心地よい会話が紡がれていく
夜の居酒屋で仲間たちが集まり、あれこれ議論がスタートする。もしかしてこの応酬が朝まで続くのかなと少し不安になりかけたところで、ヒロインの姉が突然やってきて「ちょっと歩きながら話そうや」とナイトウォークが始まっていく。磯部作品では「夜」が大切に描かれ、体を躍動させ「移動する」ことも愛おしく描かれる。この作品の場合、移動距離は下北沢から新宿まで。移り変わる夜の街並みと共に、姉妹は歩きながら互いの近況を報告し、言い出しにくい本音をさらけ出し、さらにはおぼろげになった記憶を辿って昔話にも花が咲く。絶妙なセリフの掛け合いが歩く速度と重なり、距離だけでなく姉妹は心の内側にも降り進んでいってるかのようだ。歩道橋から望む車道はまるで光の川。やがて始発が走る。夜のとばりが明ける。街が目覚める頃、姉妹の表情はすっかり晴々としている。磯部作品の夜はやっぱり温かくて優しい。ぜひ機会あれば鑑賞してみてほしい秀作だ。
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【姉妹で深夜に歩いて隠し事なくイロイロ話せば、人生に迷っていた、お互いの未来が何となく見えてくるよ。】
■さくらは27歳の売れない女優。
ヌードのオファーを受けるかどうか悩んでいた。
そんな時、さくらの姉・百合子がいきなり東京に訪ねてくる。
故郷を捨てた妹と故郷を離れなかった姉。
姉妹2人きりの下北沢から新宿まで夜中の散歩が始まった。
◆感想
・特に派手な出来事が起こる訳ではない。
・人生に迷う二人の姉妹が、久しぶりに会い下北沢から新宿まで夜中の散歩をするお話。
・だが、二人の交わす会話が心地よいのである。
<今作は、自然体映画と言えば良いのだろうか。さくらと姉・百合子とが夜中に散歩しながら、よしなしごとを言いながら歩く姿が印象的な作品である。>
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