「モラトリアムから、大人になるまでのあれこれ」君は永遠にそいつらより若い ちゃっぴーさんの映画レビュー(感想・評価)
モラトリアムから、大人になるまでのあれこれ
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あと少しで大学を卒業する一人の女子学生が、のらりくらりと生活してるところ、さまざまな出会いや事件に遭遇しながら大人になっていく話。
そう纏めると、普通の何処にでもあるステレオタイプの映画のようで全く違う。コメディや下ネタっぽい要素も入れながらシリアスな社会問題も絡み、独特の空気感で彼女の胸のうちを紡いでいく秀作。
主人公は部屋も汚いし言葉遣いも行動も雑だし、見た目もお洒落な女子大生ではなくサバサバ系。就職も決まって卒論以外はバイトを少ししながら日々をやり過ごしている。
でも実は自己肯定感が低く自分の性的嗜好にも悩み、人との距離の取り方や社会問題に対しても、表にあまり出さないが真面目に真摯に考えている。そんな生活の中で、ネグレスト、自死、身体的コンプレックス、レイプ、性的嗜好など、自身を含めそれぞれの問題を抱えた人たちに、ちゃんとその人の立場に立って対応できていたのかと葛藤する。
それぞれで一本の映画が撮れそうな重いテーマが次々と出てくるのだけど、深く掘り下げず、かといって浅くもない程度に描き散漫な印象を与えるかもしれないが、彼女がそれらに悩み、ホスピタリティや正義感をもって成長していく姿が清々しい。
佐久間由依ちゃんは、「隠れビッチやってます」でもサバサバ女子を好演してたけど、今作も凄く良い!菜緒ちゃんも「先生、私の隣…」の役柄とは全く違うキャラを上手に演じてた。
ちょっとぶっ飛んだ過激な表現もあり、ご年配の方の評価はもしかすると低くめになるかも?
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