君は永遠にそいつらより若いのレビュー・感想・評価
全64件中、1~20件目を表示
願いは時を超え、時代は変わる
津村記久子が2005年、当時20代後半で発表したデビュー小説の映画化。津村は新卒で入社した印刷会社でパワハラを受けて1年足らずで退職した経験をインタビューなどで明かしており、“虐げられる存在”の視点が本作の登場人物たちにも確かにある。それは組織や集団や社会のルールにうまく馴染めない人への攻撃であったり、処女や童貞に対する侮辱や中傷であったり、男から少女への性的暴行であったり、育児放棄された子であったり。
主人公・ホリガイ(佐久間由衣)は大学で知り合ったイノギ(奈緒)の少女時代の痛ましい体験を聞かされ、その場にいて助けられなかったことを嘆く。直接会ったことのない行方不明の少年を想い、「君を侵害する連中は年をとって弱っていくが、君は永遠にそいつらより若い」と伝えたいと願う。もちろん時間をさかのぼって過去を変えることはできないが、そうした願いを伝えることで、誰かの心に変化をもたらし、現在と未来を変えることにつながるかもしれない。弱者に向かって上から頑張れ!と声援を送るのではなく、同じ地平で寄り添い一緒になんとかしようもがくスタンスは、津村自身もハラスメントのサバイバーであることことが大きいのだろうと想像する。
吉野竜平監督が原作小説の空気感を誠実に映像化しようと努めたことは確かに伝わってくる。惜しいと感じたのは、終盤でホリガイが団地のベランダの外側から階下の住宅に侵入し、ネグレクトされた子を探そうとする場面。ホリガイが部屋に入るより前に室内で待ち構えたカメラが彼女を“客観的に”とらえるのだが、ここはホリガイの主観視点か、あるいは彼女の後ろから追随する映像によって、不法侵入を承知で未知の空間に分け入り、子供を救い出そうとする内心の緊張や高ぶりを表現すべきではなかったか。原作でもここの一連の描写は大きな山場になっていて、読者もホリガイの内面に同化してハラハラしながら読み進む部分なのだが、客観映像の演出ではそうした盛り上がりにやや欠けるように感じられた。
とはいえ、佐久間由衣と奈緒の好演は見応え十分。奈緒の役・イノギは「マイ・ブロークン・マリコ」でやはり奈緒が演じたマリコにも少し通じる部分がある。原作小説も素晴らしいので、未読の方はぜひ。
その場にいて助けられなかったことが悔しい
卒論提出すると、卒業待つばかりの4回生堀貝佐世。
両親が離婚して実家には母と祖母。
地元和歌山の児童福祉課に就職が決まっている。
13年前のあきら君行方不明事件を知ったことから、
あきら君を見つけて助けてあげたいという気持ち故
児童福祉課勤務を選ぶ。
卒論を書く為に友人に
“育った環境と将来の成功ビジョン”
についてのアンケートを頼んでいたが、
たくさん集めてくれた岡野の交換条件として、
翌日の一講目の西洋哲学史の授業に出てノートを
とって来なければならなかった。
危惧した通り寝坊し、終わった頃に到着。
切羽詰まり
猪乃木楠子にノートを貸してくれるよう頼み込む。
夜に返す約束をして猪乃木の家に行き親しくなって行く。
ゼミの飲み会で知り合った穂峰と意気投合。
穂峰はアパートの階下に住む男の子が母親に
ほったらかしにされているのを見かねて
自分の部屋に連れて来て世話していたら、
母親が警察に通報して逮捕されてしまった気の毒な青年。
だから好きになったのかも。
次回会ったら、
児童福祉士になった理由を話し
アンケートももらう約束をした、のに。
夢でも呼んでいたのに。
再会を楽しみに待っていたのに。
堀貝は酒造工場のバイトを3年以上続けたベテランで、
後輩の安田と後々絡みがあるが、
ひぇ〜⁉️😱と驚くことするヤツなので、
もうこれ以上触れません。
学食で慌て急いでいる吉崎を見つけ声をかけると、
穂峰がバイク🏍️事故で亡くなり実家が島根なので
葬儀に出る為急ぐんだ、と聞かされる。
<堀貝の胸中
穂峰が死んだ⁉️
穂峰にまた会って
聞いて欲しいことがあったのに。
穂峰に会いたい💦
バイトの仕事に身が入らない堀貝。
断り無しに髪の毛を触られビクつく猪乃木。
葬儀に行き穂峰の弟に声かけられた。
吉崎は学校久しぶり。
イラつく吉崎。
堀貝が見舞いに来たが。
電話で話す二人。猪乃木は江ノ島。
猪乃木にもアンケートを頼んでいたので、
酔い潰れた安田を担いで帰ったら待っていてくれた。
いろいろと話して、
あきら君のことも話し、
あきら君への思い入れ、も熱っぽく話す堀貝。
猪乃木の告白、
ゼミで会社訪問の際は髪の毛をまとめなさい。
と髪の毛触られながら注意され、 ビクつく猪乃木❗️
髪の毛を下ろしているのは、
耳の傷を隠す為だと髪を掻き上げ見せる。
(私はもっと目立たなくなっていると思ってしまってた)
だからいつもニット帽🧶被ってるんだ。
実家正月🎍、
バイトでのお別れ会、
あの安田は検品ラインのエースと聞き
自分の存在は? と思い詰める堀貝。
吉崎、(卒論提出したけど)アンケート渡す、
穂峰の告別式の話、
🏍️事故ではなく自〇、首吊る、だと。
前の晩、穂峰と飲んだが異変に気づかなかった。
気づけなかった自分が嫌で、それを思い出させる
堀貝を避けていた。イラついていた。
穂峰のアンケート用紙の裏にキャラクター、
何なんだろう?
(自〇したのは)きっと理由なんか無いんだよ。
卒業パーティー、
吉崎に会い、
穂峰のアパートで形見分けするから来て欲しいと。
🍲猪乃木から牡蠣パーティーの誘い🎵
猪乃木の家、美味しそうな牡蠣。
こんな美味しいもの食べているのに堀貝は、
自分がら処女であるわけは普通の人たちと違い
何かが欠けていると言って落ち込む。
苦しいし、欠陥品だと思い知らされているよう、とも。
欠陥品だから猪乃木の耳の傷にも気づかないのだと。
猪乃木は、バレないようにしてたけど、と笑う。
猪乃木、ご飯🍚無いと嘘つく? なぜ?
おじやにする気分じやないから?
キス💋する。 あら〜。
猪乃木は、
耳の傷は、いろいろな人を傷つけダメにした、
親も離婚した、と話し始める。
中学生の時🚗に当てられ病院に行こうと乗せられ、
乱暴されて草むらに捨てられていた。
助けてくれた女の子たちに堀貝さん似てると猪乃木。
😱犯人捕まえないと😤👹
そんな経験した娘を両親は持て余し祖母の元へ、って
ちょっと酷くないですか。
二人は笑顔で別れた。
穂峰のアパート、形見わけ
形見分けしたパソコンから遺書が見つかったと告げる吉崎
自分は人に影響与えるほどの存在でない。
お世話になりました。しょうご君にもよろしく。
堀貝は、これはしょうご君に挨拶しに行かねばと、
外から窓を打ち破り入り
弱っていたしょうご君を見つけ助け出す。
吉崎は、お前に関係ないだろ、と言うが。
堀貝は居ても立っても居られなかったのだ。
そうこうバタバタしてた時に猪乃木からライン。
行けなかった💦
3ヶ月後、
猪乃木は休学して実家小豆島に。
突然猪乃木の家に行こうとする堀貝。
猪乃木に会いたいのだ。
堀貝は、市の児童福祉課職員として働く。
様々な状況の子供たちを目の当たりにして。
タイトルの”君”は、13年前に誘拐されたあきら君を
指すようです。
犯人よりも若いということ?
しょうご君は母親によるネグレクト。
猪乃木は中学生の時に性暴力に巻き込まれた。
穂峰の自〇は何故?
堀貝が猪乃木のいる小豆島に向かい、
会うことを楽しみにしている猪乃木がいるのは希望ですが
「僕は後8年そいつらより年を取ってる」
・つまり、見えるか見てないか分からない傷は隠すべきだと言っている。人の弱みとして。しかも、傷を持ってるとこんな心理状態になるのか!隠せない傷がある人はどうなるんだ。
・傷に耐えられない者が、それにたえられないから自殺する。とも言っている。
「この映画を
見てくれた人には申し訳ないけど、かなり中途半端な仕上がりになってしまった」と言ってもらいたいなぁ。
相変わらず、思う事は女の子は可愛い子ばかりなのに、男は普通だね、
追記
「先生呼んで来て」は違うだろ!
追記
「そいつら」とは誰だ?流れから判断すれば、絶滅危惧種ヤマトンチュのク⭕️ジジイがまだえばり腐っていた時代の事だろうと思うが。
しかし、産業構造、つまり組織のヒエラルキーのあり方がすべて悪かったわけではない。悪徳の様に今は言われる「年功序列」それは実力主義と変わった。
さて、日本は頑張っているのに、一人あたりのGDPはお隣の国に抜かれている。まァ、それが世界の実力主義だよ。
これからはずっと「君は永遠にそいつらよりも所得が低い」と言われない様に復活!
所得倍増計画だね♥️(ジョークだよ)
追記
原作と映画は大きく違う。
ここでのレビューは男目線の「そいつら」に向けたレビューである。
「僕は後8年そいつらより年を取ってる」
追記
今の人達は土居健郎先生の『甘えの構造』とか読まないのかなぁ?自分の日本人としての精神構造を知っておいたほうが良いんだけどね。
追記
この主人公の時代設定がいい加減。まぁ、原作は原作者の年代で話が進むんだろうが、この映画はスマホやラインがあるんで、現代なんたわろう。そうすると、例えば、ノートをコピーするとかアンケート用紙を配るなんて言うことや車座で男女が酒を飲むなんて事今でもするのか?とそうぞうしてしまう。感想は僕のガキの時代と余り変わらないと思った。まぁ、僕らは友達の下宿で飲み明かすだったけどね。
学生がアルバイトを真剣にやられると永遠に年上の人達は困るんだよね。生活の為に職を探しても無い。しかも、若いやつにはかなわない。つまり、実力主義の時代の狭間なんだよ。雇用主の思う壺。
合わなかった
鷹揚さ
自分にはあまりない感情のせいか、捉えどころのない印象でした。この映画についての原作者・津村記久子さんのコメント、「自分が描きたかった堀貝佐世の鷹揚(おうよう)さは、確かに誰かの支えになるものだと、改めて信頼させてもらえた」が今作の魅力を言い得てるように思えました。思いやりとか慈悲の心とかそういう道徳的な正義と似ていて非なる感触、それが鷹揚さなのかな…。それで全てうまく事が運ぶわけでもなく、主人公は常に迷い、戸惑い、時に自虐的になりながら生きていくわけですが、でも、彼女の鷹揚さは確かに常に彼女を支え、そして、隣人を助けているという、とても不思議な感覚になりました。その捉えどころのなさを佐久間由衣さんが見事に好演してましたね。放映中の朝ドラ「らんまん」の綾役の方が個人的には好みですが(笑)。
懐から強いメッセージを感じる優秀作(71点)
適性あり
皆んな理想通りの人生じゃない
大学生までの人生が順調で
希望通りの大学に入れてキラキラした人生を送っている子達。
一方でトラウマを抱えていたり
人間関係が上手くいかなくて希望する人生ではなくなりかけている子達
まさに分岐点であるその時のその感傷的な部分を上手く描いていると思う。
男の子もだけど。
女の子はには特に慎重に生きて欲しいし
女の子を育てる親も気をつけて欲しい
女の子は子供でも別の雌が不幸になれば嬉しいとか蹴落としてやろうとか、そういった本能を持っている
蹴落として奪って輝いている雌がより良い男を捕まえる
この主人公たち2人はそんなマウント気質は感じられず
素直に生きているから真っ向から受け止めてしまうんだろうと感じた。
メインキャスト2人のような友情を見つけられることはとても貴重なんじゃないか、友情なのかよくわからない描写もあったけど。
大学生とかこれから大学進学を控えている子達に見てほしい。PG12だけどそこまで過激な描写は無かったような。
こんなまとまりのないことしか言えないんだよ私は、、、。
何を描きたいのか今一つ不明確だった印象。 児童福祉士として内定を得...
ポップじゃないポチョムキンはプーチンのせいでポップになった
初鑑賞
原作未読
芥川賞受賞作品
監督と脚本は吉野竜平
吉野竜平作品初鑑賞
タイトルに惹かれた
出版社の担当編集者が考案したのかもしれない
そういうことができる人が文芸誌に配属され無能はゴシップ雑誌に飛ばされるんだろう
児童虐待モノ
児童福祉士になる主人公は友人が子供の頃に虐待を受けていたことを知る
テーマはかなり暗いが主人公の素っ頓狂なキャラやバイト仲間のおかげで重い雰囲気を和らげている
それは文学している
だけど後半はシリアス
壮絶な虐待シーンはない
その点は良いんだか悪いんだか人それぞれ
可愛くないヒロインは奈緒でカバー
『僕の好きな女の子』もそうだったが彼女は女物のニット帽がよく似合う
佐久間と奈緒のレズシーンあり
長めのキス
女の友情といえばレズなのか
佐久間由衣はなんとなくだが中島ひろ子に似ている
中島ひろ子を大きくしたような感じ
原作がデカいという設定なので抜擢されたのだろうか
デカいといっても『キッチン』の川原亜矢子や『デビルマン』の冨永愛ほどデカくはない
赤毛から黒髪にしたことで就職したんだと観る側に悟らせる
そんな効果を狙った演出なのか
それとも原作の設定か
それはよくわからない
赤毛は『白線流し』で共演した馬渕が出演していることもあってか『レッド』の遊井亮子を彷彿させた
児童福祉士として県職員に内定している赤毛の処女・堀貝佐世(束谷大学文学部社会学科)に佐久間由衣
ひょんなことで堀貝と親しくなるずっとニット帽を被っている猪乃木楠子(束谷大学文学部哲学科)に奈緒
堀貝の友人で眼鏡をかけている渾名がヨッシーの吉崎壮馬(束谷大学文学部社会学科)に小日向星一
吉崎の友人で育児放棄されている子どもを保護したら誘拐犯にされてしまった穂峰直(束谷大学文学部文学科)に笠松将
堀貝の友人でミムラ姉さんのような髪型の岡野あかり(束谷大学文学部哲学科)に森田想
堀貝がバイトしている酒造工場の同僚でチンコがデカい童貞・安田貴一に葵揚
就活マナーを指導する束谷大学の講師・杉田千鶴に馬渕英里何
堀貝のバイト先の上司・八木圭介に坂田聡
堀貝が卒業後に就職した職場の上司・江藤敏光に宇野祥平
えーー。要約すると、就職決まって残りの大学生活ダラダラ過ごすな...
人の痛みや悩みと向き合う作品
原作小説が話題だったのでレンタルしました。
この作品には様々な要素がてんこ盛りで、見る人によっては詰め込みすぎと感じる人もいるかもしれません。しかし緻密に繊細に人間それぞれが抱える痛みや苦しみ、悩みが描かれていて、自分にとっては些細なことでも人によってはそれが生きる意味を問うほどの苦しみであること。そういった部分を深く丁寧に描いていて素敵な作品でした。
今やドラマでは名バイプレイヤーとして欠かせない存在の女優となった佐久間由衣さんと奈緒さんが演じられたからこそ、このような素晴らしい作品になったと思います。
ダイヤモンドの原石が原石のままで終わる時‼️❓
耳の傷は見えますか
「耳の傷に気がつかなかった」
すぐ近くにいる人の、些細な変化や抱えてる想いに気がつくのは難しい。
「その場に行って助けてあげたかった」
その言葉と同じくらい
「君は永遠にそいつらより若い」という言葉は、猪乃木にとって大きい一言だった。
それでも、猪乃木の耳の傷に気が付けなかったことが、悔しかった。
その気持ちに応えるように、処女であることが自分の欠陥さを物語っていると考えているあなたのすべてを肯定するように、猪乃木は全身で彼女を肯定する。
猪乃木が突然いなくなった時。
直前に友人が友を亡くしていた。死んだ理由は特にない、ただただ焦燥がすべてを超えていたからだそうだ。猪乃木がいなくなった時、訳もなくただいなくなったとき、きっとその焦燥にかられていたのかもしれない。彼女がその焦燥を感じ取ったのかもしれない。いずれにせよ、猪乃木の耳の傷にはじめて気がついたのだ。今こそその場に行って助けてあげなくては、と思って、こんな言い方しかできない自分の身一つで小豆島へ猪乃木を助けに行ったのだ。
仕事の適性はわからない。
ただ、誰かが抱えている、隠している耳の傷に気がつくこと、自分にできることはただそれだけだと思ったのだろう。
ラストシーン。
「安否確認だけはするから」と、チャイムを押して状況報告に行った上司とは対象に、安否確認だけでなく子供の耳にある傷に気がつくために、彼女は自分でチャイムを押したのだと思う。
この映画を見た自分は、身近な人が隠している耳の傷に気がつくことができるだろうか。わずかな変化に気がつくことができるだろうか。
そしてその先は。
うまく言葉で助けることができなくてもいい。ただその場に行くだけでも良いのかもしれない。
ずっと、「他者」と関わる
【”友人の心に負った傷に気付いたら、眼を逸らさずにそっと寄り添う大切さ”を社会人になる直前の不安定な気持ちと共に描く。現代社会に蔓延るネグレクト、児童誘拐に対し、激しい怒りを示した作品でもある。】
ー 序盤は、就職先も児童福祉職に決まり、後は卒業論文提出だけの、どこか覇気のない堀貝(佐久間由衣)が、ヒョンなことから猪乃木(奈緒)と出会う所から始まる。ー
◆感想
・大学の飲み会で酒癖の悪い男子学生に”お前なんかに、児童福祉職が務まるかよ!”と絡まれるシーン。
ー ここが、最後半、効いてくるのである。
だが、彼女はTVで偶々見た、数年前に行方不明になってしまった男の子の事を調べていたのだ。それが、きっかけで児童福祉職を選んだのだ。
又、彼女が選んだ卒業論文のテーマも、その事に影響していると思う。ー
・バイト先で一緒になった男の子の、真剣な悩みに、正面から向き合わない(向き合えない)堀貝の姿。
ー が、ここから、彼女はイロイロな経験をして、人間として成長していくのである。>
・自宅の下の階に住んでいたネグレクトされていた男の子を自宅で預かっていたホミネが、突然死んでしまう。ホミネの親友が、鳥取の葬儀に出席した時に知った真実。
ー ホミネは、自分が男の子を救えなかった事が、心のどこかに鬱々とした思いとして、抱えていたのではないかな・・。
ホミネが遺した、堀貝が卒論作成のために頼んだ、アンケート用紙の裏に書いてあった、明るい感じのキャラクターが、却って彼の苦しみを表している気がした。
そして、その絵に、カラフルな彩色を施した猪乃木。彼女も又、心に深い傷を負っていた事が中盤分かる。きっと、あのカラフルな彩色は、彼女のホミネに対する”想い”ではなかったか・・。ー
・堀貝と猪乃木の間は、徐々に縮まり、猪乃木が言った衝撃の過去。誰にも見せなかった耳の傷。
ー あのような事件は、日本でどれくらい起きているのだろうか・・。、猪乃木が、大学を休学して、お婆ちゃんと住んでいた小豆島に戻ったのも、未だ傷が癒えていないからではないか。ー
・堀貝が、ホミネの家で、彼の親友から形見分けを貰うシーン。彼女は、突然ベランダから身を乗り出し、ホミネが助けようとした男の子の家に”命懸けで“降りる。
そこで、見たネグレクトの酷い実態。
<赤く染めていた髪を黒髪に戻し、堀貝が猪乃木に会いに行くシーン。
”暫しの沈黙の後、猪乃木が、か細い声で言った言葉”良いよ、待ってる・・。”
大学生から社会人になる精神的に不安定な時期に、堀貝が経験した、世の闇。
だが、あのラストシーンを見て、磯貝は良い児童福祉職員になるだろうな・・、と思った作品。>
<2021年10月31日 刈谷日劇にて鑑賞>
ラストの意味は観た人の捉え方に任されている
なかなか見ることが出来ず。たまたま横浜の(憧れのミニシネマ)ジャックアンドベティで、観たかったふたつの映画を連続上映してたので、意を決して遠征鑑賞でした。
高評価も納得の映画でした。
唯一問題なのは、佐久間由衣が可愛すぎることぐらいかな。あれでモテないわけが無い。
大学生のチャラチャラした話かと思ったら、なかなかベビーな話になります。
そして、最後は鑑賞者のとらえかた次第で、いろいろな撮り方が出来ます。
こういう映画は好き。
たまたま、舞台挨拶付きで監督だけ来ていました。サプライズで佐久間由衣か奈緒か来ないかな、と期待していましたが、残念。監督だけでした。
ただ、質疑応答があったのは楽しかった。
本当は、最後の方はどういう意図があってどういう意味なのか質問したかったけど、見た人次第で良いのかな。
ネタバレしないではなかなか感想が書きにくいけど、あのキャラがあのシーンに出てくるところでことや、最後の行動や言葉がどういう意味なのか、この辺りはいろいろな捉え方が出来そう。
私は、あの部屋にあのキャラクターが見えたのは、あの部屋の意味やあの部屋にいた人と、そのキャラクターが重なる部分があったからだと思いました。監督はちょっと違うことを言っていましたが。
この映画も、心の病と自死が関係します。
2作連続で同じテーマでした。
こちらも、ポップで楽しい空気も、重い空気のコントラストがとても良い。前半から楽しいシーンや、可愛らしいシーンが多かったので見やすかった。
全64件中、1~20件目を表示