「AMERICA2021」17歳の瞳に映る世界 bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
AMERICA2021
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いや、2020だっけ?
これは良かったです。多数の賞のAWARDも納得の逸品でした。
2016年のフランス映画「あさがくる」を思い出した。ドキュメンタリーを見ているかのような感覚。無演出・無演技的なタッチで描かれるのは、州境を超え、中絶のためにニューヨークを訪れた17歳の女の子の数日間。
NYで訪れた二つ目の病院での問診が辛い。早すぎる初体験。目的が理解できないセックス。おそらくレイプ。望まない妊娠。誰にも頼ろうとしない17歳は、「処置」の場面だけでは付き添いを望む。
観る人によって、受け取るメッセージが異なるであろう、ストーリー性に乏しい乾いた脚本。良い男性(ヒト)を一人も描かない虚無主義。
セクハラの腹いせにレジの金をポケットに押し込んだ「普通の女の子」は、NYでセックスの一部と金を交換する。必要なのは救いであることを忘れ責める人々の集団の恐怖。下司は優しい言葉で誘いを掛けるが少女たちの悩みには興味が無い。
暗く湿った都会から、手に手を取って逃げ出す17歳。
NEVER:決して目にしたくない事は、
Rarely:「めったに起きない事」と高をくくっている間に、
Sometimes:少しづつオオキクなって行き、
Always:最後は常となる
過去を咎めている様でもあり。
今を憂いている様でもあり。
未来を予言している様でもあり。
結構文学的で好き。
良かった。とっても。
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