「乾いているような湿っているような」逃げた女 デブリさんの映画レビュー(感想・評価)
乾いているような湿っているような
なにげない会話。ときどき顔をのぞかせる不穏さ。そして……! の構造なんだけど「そして」部分をほぼやらない映画だった。想像の余地が多くある大人の映画。もうちょっと何かあってもよかったけど、これはこれで嫌いじゃない。
野良猫へのエサやりのくだりは、去勢や予防接種を済ませて、周辺住民の同意の下で地域猫として見守ってください、と言いたい気持ちでむずむず。あの平行線の話し合い(話し合い?)めっちゃ怖い。
「おいしい?」「おいしい」「あ、おいしいね」「ね、おいしい」みたいなムダに反復するリアルな会話が生々しい。あと、質問という質問に誰もまっすぐ答えなくて不気味。
ズームとパンの仕方が独特なので、視点の持ち主の存在を感じる。映像には登場しないけどもう一人いる、みたいな心地にときどきなる。
りんごは私なら皮をむいてから切りたい。八つに切るの丁寧ね。私だったら四つ。どっちでもいいけど。
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