劇場公開日 2020年7月25日

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「【”棄民” ”戦争が無ければ、こんな過酷な人生を歩まなかった・・、とフィリピンの残留邦人の年老いた女性はフィリピン語で言った・・。”】」日本人の忘れもの フィリピンと中国の残留邦人 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”棄民” ”戦争が無ければ、こんな過酷な人生を歩まなかった・・、とフィリピンの残留邦人の年老いた女性はフィリピン語で言った・・。”】

2021年8月15日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

幸せ

ー このドキュメンタリーから、私たちが学ぶことは多い。
  そして、”大東亜共栄圏”始め海外で命を落とされた約240万人の方々の御霊、そして、その遺児達が経験された過酷な事実に、改めて頭を垂れるものである。ー

◆感想(今まで、詳細を知らなかった事)
 ・中国残留邦人と、フィリピン残留邦人に対する、厚生労働省のスタンスが違った訳。
 ー 中国へは、国策で家族と行って頂いた。一方、フィリピンは、”自分たちの意思で・・”
  オイオイ、当時の幼き子供達に、その理屈は通らないぞ。ー

 ・中国残留邦人帰還政策は、1975年から国の支援で本格的に始まる。
 ー その前は、民間団体が行っていた。”政府は、戦争処理の包括的制度を作らなかった。”ことが述べられる。フィリピンについては、この時点では、国は動かない。ー

 ・2013年に入り、漸くフィリピンでも帰還政策が民間主導で進んでいく。が、75年以上、日本人であることを公にせず暮らして来た人々は、当然ながら日本語が喋れない。

 ・残留邦人が、漸く日本に帰ってきても、言葉の壁のため、経済的弱者として、生きて来た事実。
 ー 残留邦人帰還政策とは、帰還させて終わりではない。その後、彼らが日本でキチンと生きていける法制度の充実が必要なのである。ー

<再後半、中国残留邦人の女性の方々が、四川大地震の際に、現地支援をしていた事や、”今は幸せ”と言う言葉が聴けたこと。そして、”日中の架け橋になる”と言う、尊い言葉が身に染みた。
 又、彼らの帰還に対し、精力的に動かれた方々にも、敬意を表します。>

NOBU