破壊の日のレビュー・感想・評価
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疫病退散とオリンピック
迫力ある音楽と圧倒的な映像によって引きずり込まれた・・・だけど、話が途中で終わってる感じ。起承転結で考えると、起承+ラストのイメージ映像といったところか。逆に、自分ならこういったおぞましい展開にするとか、修験道者対疫病の怪物、さらには時空を超えたSF怪奇ロマンにするとか、想像力を与えてくれる。
「利権と強欲という物の怪に取り憑かれた社会をお祓いしてやろう」という、このサイトの解説を読んでおいてよかった。事前情報がなければ、ただの怪物物語の未完成版としか見られなかっただろう。利権と強欲・・・描かれてませんけどね。
松田龍平と窪塚洋介の無駄使いといった感じもあるし、明らかに7月以前のマスクだらけの渋谷の街とか、ギリギリに仕上げているからしょうがないのかもしれません。その苦労や意気込みまで汲み取れたので、中途半端ではあるけど面白かった。
履き違えたシナリオ
ある日スマホを見ているとこの映画の事が目に入った。即神仏とか修験道者といった聞き慣れないフレーズがあらすじのあちこちにちりばめられていた。奇妙なあらすじに違和感をおぼえながらも興味を掻き立てられた私は、翌日映画館に向かうことにした。そこは小さな映画館で定員50人くらいだろうか、客はまばらだった。しばらくして上映開始私はスクリーンを疑視した。雪が降るなか松田さんが登場、受付をすませた後洞窟らしき穴の中に入っていった。しばらく進むと突き当たりに大きな肉の塊が脈を打っていた、このシーンをみた瞬間この先いったいどうなるかと凄い期待をした。中略
ラストシーン血塗られた主人公が交差点で意味ありげに叫ぶところで終わった。なんですかこの映画は?なにかあるように見せかけておいて全くなにもないし、肉の塊が肉の塊になっていく過程が全く描かれてなかったし、ストーリーも飛びまくっていた。全然わかりません。ただこの映画は観に行かなくて後悔するより、観に行って後悔した方がいいと思いましたがやはり観に行かない方がいいでしょう。
壮絶にお勧め出来ない
豊田利晃さんには「狼煙が呼ぶ」にもやられたもんね。アレと同類。冗長の極み。今、公開中の作品を全部みつくして、それでも足りないと言う方は、どうぞ。止めはしませんが。ってな感じのフィルム。
ちょっと酷い。
物の怪と修験と狼信仰の現代アート作品
映画「破壊の日」を観てきました。
週に1本のペースで、ミニシアターが再開してから追いかけるように観てるな。
前回「プラネティスト」で初めて豊田監督作品と出会い、その撮り方やこだわりや感性に惚れ込み、今年の1月のコロナ発生のタイミングで急遽企画し、オリンピックの7月24日に公開を決めてスタートした、そのタイトルそが破壊の日という、それだけの情報で、絶対観ておこうと楽しみにしていた作品です。
それ以外の情報はまったくなく、内容は想像もつかないまま。
前作が大好きな小笠原で4年かけての撮影に対し、今回は東京が舞台で半年で脚本撮影編集の荒業から生まれる時代のスピード感が、やはり映画の全面から伝わってきた。
監督は映像だけでなく、音楽も大事な要素ってのも伝わってくる。
細かいところ抜きにして、またまた大好きな世界観に誘われていった。
内容を知らなかったとはいえ、今の自分が一番はまっている修験の世界に溢れていたのだ。
そして、これまた大好きな狼信仰が残る武蔵や秩父辺りの田舎がメイン舞台だった。
テーマは疫病退散。
コロナしかり、しかしまた現代の分断する不寛容な社会そのものが病んでいる。
それを作品にしようとするあたり、映画監督というよりミュージシャン的であり現代アート作家でもあると思う。
閉鎖された炭鉱の洞窟とか。
即身仏とか。
いつの時代ってなりそうな怪しさも、そういうものが残ってる地方では違和感なく、マタタビと虫こぶを漬け込んだ薬酒のビンが並ぶ土産屋とか、町のバイク屋とか、昭和がまるまる残ってる。
だけど病んでるこの世の中。
やっぱり物の怪の気配がする。
映画としては時間も短く、完成度も低いとなるかもしれないが、個人的には楽しめたし、やはり映画というより作品レベル的にも現代アート作品として仕上がってると思うな。
迫真を感じた
AKIRAがIMAX上映されて改めてオリンピック中止が注目され、この作品でもオリンピック更には予測していなかったコロナ禍を意識させる。
目に見えない何かが動いている意識を感じたり、何かを変えようとする流れは演技を越えていた。
そして、バラバラに見えるシーンは意識と音楽でつながっていて、終盤にかけて盛り上がりを見せた。
キャスティングや音楽だけでも魅力があるが、変えようとする力をもがきながら表現する、ここに迫真を感じた。
"疫病退散"
ある一線を超えてしまったかのような?そんな領域の中を彷徨っているような?
破壊の日からの再生の日は訪れないかのような?監督自身、作品の魅力を上回る存在感を醸し始めたかのような?
もう日本では豊田に映画を撮らせるシステムが崩壊しかけているような?
破壊=自害とかヨギル、、刀剣などを用いて、、??
台詞なしでチョットした長回しに耐え得る魅了全開な松田龍平の年々優作の面影が強くなる存在感、窪塚洋介とスクリーンに収まる一瞬の違和感、この天然記念物的役者二人を差し置いて主役に躍り出た渋川清彦の主役じゃ無い感、そしてスゲーぇ異物的存在のマヒトゥ・ザ・ピーポーの畝るような叫び声に驚愕してしまう!!
GEZAN〜照井利幸〜切腹ピストルズ、キャスト陣とタメを張る音楽の必要性が爆裂に炸裂する最高加減!!!
これぞ、豊田利晃のセンスと世界観と巧さが混じり合う魅力でもある嫌いになれない理由!?
誰かに薦めようとは思わないが、映画館で観ることを薦めるのは間違いない。
敢えて不快になるようなものを集めたか…
冒頭のモノクロで雪がひらひら舞う映像は何となく好きでした。
炭坑跡を進むあのシーンは長すぎる、とどうでもいい勝手な感想。
音が…冒頭から割れていたし(それは劇場側の問題かもしれないけれど)、嫌な高音域が強すぎる印象で、生理的に不快な感覚を幾度も覚えました。音楽自体はかっこいいと思ったし好きな部類だったけれど、音質が…。
カラー映像は冒頭の白黒とはうって変わって、非常に薄くて画質も弱々しく感じて、常に引いた目線でしか観賞できず、赤とかスクランブルとか屋上とか、自分には全く合わない箇所だらけで、何気に辛かったような気がします。
短い作品だったことが幸いで、あっという間に終わってホッとしました。
嫌なものは全部虚構へと押し込め消化して、現実世界ではなるべく気を楽にして生きていこう!といったところでしょうか。
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