「小川淳也を笑っているうちはこの国は変わらない」なぜ君は総理大臣になれないのか トダー・オートマタさんの映画レビュー(感想・評価)
小川淳也を笑っているうちはこの国は変わらない
本作は2003年から新型コロナ直後の2020年までの
衆議院議員である小川淳也の記録を撮影したドキュメンタリー映画である
この映画の続編が上映されるので
先に配信サイトでこの映画を観ようと思った
32歳で旧民主党から選挙に立候補をした
そのときに、総務省の官僚をやっていたが
官僚は事務次官とOBの顔色をうかがって国民のほうを見ていないので
官僚のままだとその体質を変えることはできないということで立候補をした。
ただ、最後のほうの統計不正で
官僚が安倍長期政権の弊害によって体制が歪んでしまったのを見て
政治家を目指した当初と官僚に対しての印象は
変な意味で変わったんじゃないかと感じた
そして、2009年に当選を果たした
選挙に初挑戦をしたときから
香川1区で戦っており、自民党の現職の平井議員との選挙戦で
ずっと苦戦を強いられている
政党として
民主党、民進党、希望の党、立憲民主党という流れで
政局に振り回されて、政党を渡り歩いていくこととなる
民進党のときに
蓮舫議員の二重国籍問題は
野党だから許されていたが、これが首相だったらアウトで
民進党は政権交代の意識はないんじゃないかという意見に対して
完全に同意をしているが、
外から見ている一般の国民からだと、内側にいる政治家の心情を
推しはかることはできないように感じた
まあ、今だったら安倍政権では森友、加計、桜を見る会など
いろいろあっても、辞めなかったからわからないけど
また、小川は森友問題の初期のころに
「これは長期政権による腐敗である」と語っていたが
その分析は結果としてあっていた
2017年に小池百合子が希望の党を立ち上げ
小池の「排除します」発言や立憲民主党の立ち上げなど
野党側が大混乱を起こした
そして、小川は2017年の選挙で希望の党に入り
その理由として師匠である前原誠司との関係や
同じ香川県の議員である玉木雄一郎との仁義を考えた結果らしい
あとは、希望の党が本気で政権をとる意識があったと見ての選択だが、
結果として、僅差で落選し比例復活になった
ただ、比例復活では発言力が低いらしい
映画の半分くらいの時間はこの選挙の
撮影に費やしている
ここでは小川の娘も含む家族が一体となって
選挙戦を戦っている
街の人に希望の党に入ったことにより
「安保法案反対してたのに裏切られた」という罵声を浴びせられたり
地元の四国新聞は平井卓也議員の親族が経営者ということなのか
小川淳也にネガティブよりな報道をしていて
かなりの苦戦を強いられることになる
小川の二人の娘も選挙でスタッフとして活動をしている
小川の娘は二人とも
「政治家にはなりたくないし、政治家の妻になりたくない」と発言をしていて
日本では2世議員が多いといっても
選挙で苦戦をずっとしている
小川淳也の子どもが政治家になるのはキツイよなとは思った
しかし、この映画は政局のことが多く
政策のことはほとんど出ていない
最初のほうで、「欧州のような高負担高福祉の成熟国家」
ということを話しており
選挙の応援演説で井出英策が経済ブレーンと出ており
その人の考え方と近いと思うが
賛否両論がありそうだなとは思う
最後に民主党時代には
小川本人が「自分のピークは53歳くらいで、そこで引退をしたい」
ということを語っていたが
2021年10月の選挙で選挙区で当選し政調会長になっているので
年齢的に今期が終わったら引退をするのか?
それとも、次の選挙にもでて総理大臣を狙うのか?
はたして・・・