劇場公開日 2020年6月13日

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「政治家とは」なぜ君は総理大臣になれないのか shinさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0政治家とは

2020年7月24日
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鑑賞方法:映画館

正直者が馬鹿を見る世の中であってはならない。

とは思うけれど、小川氏は人を引っ張っていける器の人ではないだろう。政治家には向いていない、と母親は言うが、おそらくサラリーマンでも出世出来ないと思うくらい人が良すぎる。

個人的に政治家に清廉潔白さは求めていない。多少私腹を肥やしたって国民のために粉骨砕身働いてくれるのであれば、私個人は多少目を瞑ったっていいと思っている。別に政治家まして総理に年収300万で働いてもらおうなんて思っていない。

ただただ誠心誠意ひたむきに頑張ってますアピールされたって具体的に政策を語っている姿が(この映画の中では)見えなかったので、好感度があろうと総理の器ではないと感じた。

小川氏を総理にしたいか、と問われたら私はNOと答える。

どんな職業でも向いていようがいまいが、努力する姿勢は素晴らしいと思う。けれど皆んな何らかの形で努力はしている。地べた這いずり回って苦渋を舐めて、そんなことみんな経験している。

清貧語って高邁な思想掲げたって結果が全て。これは政治の世界だけではない。

世渡り下手で処世術に長けていない人ががむしゃらに頑張っている姿は確かに涙を誘う。だけど政治家ってそれでいいの?それって政治家に必要な資質?最後、選挙に敗れて皆んなに慰められている姿は、甲子園を目指して頑張っていたけど夢叶わなかった高校球児を慰めているように見えた。

小川氏は確かに誠実な人だろう。こういう人が総理になって、彼を支える人たちもまた謙虚で献身的な人たちで国民もまた好意的な人たちであれば幸福に満ち溢れた世の中になるかもしれない。

だけどそんな世界は夢物語だと思う。

金と権力に塗れ、他人を蹴落としてでも這い上がりたい、という欲望渦巻く世界で、誠実さだけで生き残れる世界がどこにあると言うのか。

前評判も良く感動した、という声が多かったので期待した分がっかりした。こういう人は結局敗れ去るのか、と暗澹たる気持ちになった。

ただ、小川氏のような人を総理にしたいと思う人が多く夢や希望を託して選挙に行く人が増えるのだとしたら、これからの日本に一抹の希望は見出せるのかもしれない。

shin