「ロシアとの類似性」潜水艦クルスクの生存者たち ミカさんの映画レビュー(感想・評価)
ロシアとの類似性
約20年前の事故ですが、はっきりと記憶してます。まさか背景にこんなことがあったとは。全く知りませんでした。そもそも、海軍の演習だったはずがロシアの面子だけの為に見殺しにされるなんて。
長官は、彼らは覚悟をして職務を全うしているみたいなことを言っていましたが、逆に国の上層部はどうなんだ?と思います。自分達の身内だったら直ぐに救助したのではないでしょうか?(そもそも身内を危険な職務にはつかせませんが)
上層部は、自分達の保身の為に、海軍である彼らの愛国心を利用しているだけなのだと思います。
私の思う愛国心とは、自分の家族、友人、仲間や近所の公園で遊んだ記憶、慣れ親しんだお店、観てきた風景、食べてきた食べ物を愛おしく思う気持ちです。海軍である彼らが潜水艦の中で話していたことは、家族、仲間、想い出の全てを愛しむ会話でした。愛国心とは、決して、一部の権力者を愛することではありません。
これはロシアで起こった事故ですが、自浄能力がない日本も似たような感じだなと思います。高級官僚は相変わらず利権作りと保身に余念がありませんし、コロナ予備費11兆円が使途不明でも、マスコミは騒いでいません。原発事故を起こしても誰も責任を取らないでいます。
本作を通して、私はロシアと日本との類似性を感じてしまいました。ラストで子供達は権力への批判精神を発揮しましたが、果たして日本人に批判精神が残されているかが疑問です。
今晩は
今作は、非常に心に沁みた作品でした。
明日、旧ロシアで行われた非人道的な行為を映画で観る予定ですが、今作も共産秘密主義の恐ろしさを描いた秀作だと思いました。
私は、日本には時の政府を批判する精神は残っていると思います。それは、私を含めた一人一人がカントリー・ジェントルマンの如く時の政府の動向を様々な手段で定期的に確認し、選挙の時には必ず一票を入れるという当たり前のことが行われた上での前提ですが。
最も恐ろしいのは、国家が暴走し、現在のロシアのようになることですね。それを防ぐには、独裁政治を抑える三権分立を基本とした民主主義が正しい形で機能している事だと思います。
国の動向を常に視野に入れ、民としてやるべきことをやるという基本的な事が大切だと思います。固くなりました。では。