「現況とダブるロシアの構造的問題」潜水艦クルスクの生存者たち Boncompagno da Tacaocaさんの映画レビュー(感想・評価)
現況とダブるロシアの構造的問題
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実際に起こった事故を描いているが、今日のウクライナでのロシアの不首尾とダブり、見ていて哀しくなる。冷戦後のロシアの潜水艦は、水兵の給料も届かず、装備は老朽化していたようだ。事故が起こったのはプーチンが初めて大統領になった直後である。邦題は誤解を招くが、実は最終的には全滅している。事故発生からしばらく生きていたのが23人で、軍の装備不足の上に、上層部の機密保持とメンツで対応を遅らせ、手遅れになる。
今日のウクライナ危機とダブルのは、事故は他国船との衝突だとウソの会見をしたり、現場に判断させず、上層部がムダな時間を使っているところなどである。さらに、映画には出てこないが、ソチで休暇を取っていたプーチンには、事故があったが適切に対応しているという報告がされ、プーチンは休暇を続けていたらしいのである。今と変わらぬように思われ、犠牲になった人々に何とも言えない気持ちになる。
この映画はもちろんロシアではなく、ルクセンブルク制作となっているが、どうもベルギーのワロン地域政府の助成や、フランスの港やルーマニアでのロケで撮られているようである。
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