劇場公開日 2020年12月25日

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「たとえゆっくりでも挑戦し続けることの大切さを教えてくれる」GOGO(ゴゴ) 94歳の小学生 牛津厚信さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5たとえゆっくりでも挑戦し続けることの大切さを教えてくれる

2020年12月31日
PCから投稿

ケニヤの大自然の中、御歳94のおばあちゃんがひ孫たちと一緒に小学校で学ぶ。そんな映像に触れているだけで、何とも言えない多幸感と尊敬の念が溢れ出してくる。カメラはこの気高きヒロインが子供たちと同じ緑色の制服に身を包み、耳目や意識の衰えを痛感しつつも、持ち前のバイタリティで歩み続ける姿を映しだす。普通ならプライドが邪魔して到底なしえないことだが、本作でゴゴ(おばあちゃんという意味)は、自ら率先して「学ぶこと」の重要性を伝えようとするのだ。そしてもう一つ際立つのは、彼女の挑戦意欲であろう。学び舎では全てがうまくいくわけではない。しかし、何かしらの壁と対峙し、それを乗り越えようと意欲を奮い立たせている時の方が、ゴゴは活き活きと輝いて見える。人生の価値は「何を成し遂げたか」だけで決まるものではない。たとえゆっくりでも諦めることなく自分のペースで挑み続ける彼女の姿に、何か大切なものを教わった気がする。

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牛津厚信