キング・オブ・シーヴズのレビュー・感想・評価
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もうひと堀欲しかった
平均年齢60歳で、あの強盗をやってのけるとは…。 もう少し、それぞれの強盗を犯すに至った心理を知りたかったかも。 お金に困っていたからなのか、昔の栄光や快感、 スリルを味わいたかっただけなのか、暇潰しなのか、 それぞれだとは思うけど、それなりに今の生活は安定していた者もいたよね?! そして ポッとでの若者に振り回されたのは、耄碌したせい? 百間練磨の彼らが、あんな若者に?! ちょっと悔しい。
老人コント
予告編でイメージした、老人版「オーシャンズ」ではなかった。 『ハットンガーデン・ジョブ』って映画と同じ実際の事件を使いながらも、志村けんと加藤茶の老人コントみたいな「老醜」コメディ仕立て。 盗み出した後が長かった。 盗品をちょろまかし合ったり。 お互いの悪口を言い合ったり。 二枚舌の騙し合いに、誰がリーダーか、誰が取り分多くできるかなんてマウント合戦が続く。 気持ちは若いが、身体はいうことを聞かず、意固地かつ視野狭窄を起こした年寄りの姿は、自分もこうなるのかな、と微妙な気持ちにさせられました。 「うちのおじいちゃん、杖ついてまともに歩けないのに、若い女の子と浮気しちゃって、肉体関係あるみたいなんだ」みたいなとこを眺めているような、まんじりとしない感覚がつきまといました。
余生
なんというか中途半端な感じもしなくはない。
案外簡単に金庫破りは成功するし、その後のイザコザも緊迫感満載と言うわけでもない。
爺さん達が達観しすぎてるのか…そうそうアタフタする事もない。
クライムストーリーとしては至極退屈ではある。
ブリティッシュなジョークもピンとはこない。原本がそうなのか和訳の弊害か、結構支離滅裂な会話なのだけれど、誰も気に留める素振りはない。
ただ、老俳優達の気負いのなさは目を見張るものがある。結構な会話劇ではあるものの、芝居を見てる感じは薄い。それが返って緊張感を削ぐ要素であるのかもしれない。老練な名俳優達の仕事を堪能するのが、正しい鑑賞の仕方なのかもしれない。
ラストシーンもそうなのだけれど、結構な裏切りがあった割には、皆仲が良く見える。
ジョークを交え談笑しながら裁判に向かう。
その空気感たるや中々に見応えもあり…アレは若い俳優達には出せないものなのだろうと思う。
命への執着が薄いというか…結局、この後何が起ころうとも、どうせ棺桶に片足突っ込んでる俺たちだ、みたいな。
案外、爺さん達の暇つぶしが動機だったのかもしれない。ただ、ちょいとニヤリとするのが「警報機のスペシャリスト」の存在だ。
ホントにいたのだろうか?
それこそ、老い先短い爺さん達の置き土産ではないけれど、遺産としてどこかに隠されているのかもしれない。
全く関係のない昔の作品を、それぞれの若かりし頃として本作に引用できたりしちゃうとこは、さすがの経歴と感嘆しつつも面白い。
そんな事を考えると同窓会なような気もするし、一風変わったコメディと捉えるのもアリなのだろう。
老いてもなお・・・
2015年、ロンドン最大の宝飾店街の貸金庫から現金や宝石約1400万ポンド(20億円)が盗まれた「ハットンガーデン事件」。その金額の大きさとともに窃盗団の平均年齢が60歳を超える高齢者集団だったことが注目を集めた事件を基に、アウトサイダーの本質に迫った作品。 特に緻密な計画を立てたわけでもなく、迅速に窃盗行為を実行しだした場面には少し面食らった。この映画の本質は寧ろ、その行為よりも人間ドラマを描きたかったのだと推測したのだが、どうだろうか。 にしても監視カメラ、車の登録ナンバー等々、あからさまに素性が明らかになる事を予測してない無防備さは年齢的なものから来るものなのか。 結局若い警報機のプロだけが国外逃亡に成功し未だ逃げおおせていたのが象徴的。残りのメンバーは自宅で一斉逮捕。もしかしたら途中から単独行動に出ていたマイケル・ケインだけがどんでん返しで警察を出し抜くのではと期待したがあっさりと逮捕されたのは意外であった。 ラストは公判に向かうメンバーたちが囚人服からスーツに着替えをするところ。マイケル・ケインが、”刑務所の暮らしより死後が心配”と言ったのが印象的に残った作品であった。
面白いのは犯行後
実話ベースの物語。若手からの情報をもとに、おじいちゃんたちが銀行の金庫破りを企てる。
前半部分はダラダラしてて結構退屈。でも皆おじいちゃんだから金庫破りの実行もかなりゆるくて、中盤くらいからはそれなりに面白かった。でも本当の面白さは犯行が成功してからの配分で揉めたり、少しでも自分の取り分を増やそうとする醜いかけ引きが始まってからだった。おじいちゃんになっても強欲なやつは強欲だし、暴力的なやつは暴力的、ずる賢いやつはずる賢いってことだ。
でも犯行の細部はかなり雑で、そら捕まるよなって思うことばかり。実話だから仕方ないけど。ただ最後、もう刑務所に入っても別に困ることはない、心配なのは死後のことだけだってセリフはたくましくて羨ましい。
ちなみに使われていた音楽が妙にカッコよかった。本当は2.0くらいでもいいかなと思ったけど、ほんの少し加点した。
捕まるの覚悟の上か。
実話だし、年配者だし、ド派手な映画じゃないのは予想どうり。こんなもんでしょう。防犯カメラなんてほとんど気にしてないね。ほとんど会話せず淡々と犯人を割り出すの警察の動きがいいな。 ラストの若い彼らの映像は本人なのかな? シャーリー・バッシーの挿入歌は 「ゴールドフィンガー」ならバッチリだったけど権利関係とか難しい?
少し通じ難いところがあった
タイトルの直訳は「泥棒の王様」で、華麗に盗みを決める洒落た老人たちの話かと思っていたが、所謂泥棒アクションとは一線を画していて、互いの欲のせめぎ合いと、主導権の取り合いが演劇のように展開する作品だった。 本作品を観て思い出した小説がある。SF作家星新一ショート・ショート「成熟」という作品だ。3人の男が強盗に成功し、隠れ家で一人ずつ順番に見張りに立つが、残りの二人が見張りの男を殺してしまおうと、順番に密約を交わす話である。全員が残り二人を殺すことになり、自分は残りの二人から殺されることになる。それに気づいて・・・という話だ。興味のある方は「ひとにぎりの未来」という文庫に入っているのでお読みください。 星新一の小説はショート・ショートだから単純な構成だが、本作品は7人の泥棒たちがそれぞれの思惑と信じる信じないの駆け引きを繰り広げる。強気な老人と弱気な老人がいるが、弱気な人間が必ずしも負けるとは限らない。強欲さにかけてはどちらも負けていないのだ。タイトルを「Greed」(「強欲」)としたほうがよかった気がする。 イギリスは民主主義の先進国ではあるが、監視社会でもある。というか、監視カメラ社会といったほうがいいかもしれない。ダニエル・クレイグ主演の映画「007」のどれかのバージョンで、ジェームズ・ボンドがロンドンを逃げる様子を監視カメラを次々に繋いで捉え続けているシーンがあった。 本作品も舞台はロンドンである。当然犯罪者は監視カメラを意識する。本作品の老人たちも少しは意識するのだが、網羅しきれるほどではない。というか、網羅できないほど多くの監視カメラが存在する。かつてのスコットランドヤードとは違って、現在のロンドン警察は監視カメラなしでは何の操作もできない。凶悪犯罪の検挙率が低いことでおなじみの警視庁と同じだ。再犯率は日本と同じくらい高いから、監視カメラと犯罪者リストから多くの犯罪容疑者を絞り込むことができる。 再犯率が高いなら死刑を増やせば再犯率は低くなるのに、世界的に死刑廃止の動きがあるのはなんとも不思議だと考える人もいるだろう。その考えだと万引き以上の犯罪をすべて死刑にすればこの世から犯罪者は激減するということになる。その議論も一理はあるのだが、冤罪が生じた場合は取り返しがつかない。それに、捕まらなければいいという犯罪者特有の考え方が改まるわけでもない。 本作品の老人たちは全員が再犯者だ。スコットランドヤードにデータがしっかり残されている。変装なしで街を歩けば足取りが割れる。デジタル社会に乗り遅れたアナログの犯罪者の集団が本作品の老人たちである。悲しい話だ。 しかしそんなデジタル社会の現状を知ってか知らずか、強欲の老人たちは各自の哲学を披露することに余念がない。他人に自分を理解させようとするのは甘えている人間か、強引にリーダーシップを取ろうとする人間だ。老人たちは見事にそのふたつに当てはまる。そしてそのふたつの間で振り子のように揺れながら、互いの人間関係のバランスを微妙に維持していく。本作品はそのあたりが見どころなのだが、名優マイケル・ケインの演技力をもってしても、当方のように字幕で鑑賞する日本の観客には少し通じ難いところがあった。
多少難はあるが、それでも今週(15日~)ではお勧め。
今年9本目(合計76本目)。 実は今週は結構本数が多くて、全部見に行くととても大阪市では無理なので(20時までルールの適用)、人気作品とマイナー作品を混ぜて見に行く予定です。 さて、こちら。最初と最後に出るように実話ベースの物語です(確認済み)。ただ、細かい設定などは変えられたり、どうでもいい部分はカットされていたりしているようです。 他の方も書かれていた通り、「ご老人の盗賊団」なので、そうそう派手なアクションシーンは出てきません。むしろ、妙なことで頭が回るかな(暗証番号の解読に指紋の付着の痕で推測するとかといいつつ、「(強奪したものを)国内で売るとすぐに足がつくからebayで売れ」に対して「ebayって何?何のアプリ?」って答えていたりバラバラ…)という印象です。 まあ、そうでないと「ご老人の」ということになりませんからね。 しかし何というか、多少は着色されているとはいえ、これだけ監視社会、それも銀行やら高級宝石店といった場所はもう何重にもセキュリティがかかっていて、とても押し入るのは無理なのに、それをやってしまうというのがすごいというか…(もちろん真似をしてはいけません)。 途中からはアクション中心というより会話中心にうつっていきますが、それもこのご年齢を考えれば当たり前で(あることないことくっつけると、おかしくなる)、そこは許容範囲かと思います(むしろ、そのほうが減点要素が大きい)。 減点要素は下記0.3で4.5(七捨八入)としました。 ------------------------------------------------------------------------------- (減点0.3) とはいえ、ご老人とはいえ盗賊団(金庫破り集団)なので、結構言葉遣いが激しいです。いわゆる「言葉にしてはいけない語句」とされる「f**k」(あえて伏せてます。俗にf語とよんだり「罵倒の4語」とか呼んだりする)がもう至るところ登場します。おそらく100回以上出てるんじゃないでしょうか? で、最初はその部分も丁寧に翻訳されているのですが、あまりにも使いすぎるので途中から翻訳が追い付かなくなってしまっており、中には「あろうがなかろうがどちらでも一緒」な場合にさえ使っているので(一種の口癖というような状況なんでしょうね)、映倫のグレードとしてはGですが、実際に英語を聞き取れるレベルの子(帰国子女レベルの子)や、そこそこ英語が聞き取れる方からすると「うーん…」ということにしかなりかねず(それは結局、多くの日本人が字幕を頼りに見るからで、英語の聞き取りはあくまで補助にしているに過ぎないことによる)、ちょっとこう、これ、「このグレードでいいの?」という点は気になりました(および、もう口癖みたいに「無意味に」使ってしまっているので、そういう会話が「普通に」あるんだ、と思われても困ってしまう)。 -----------------------------------------------------------------------------
大きな展開はなく会話劇中心
思ってたのとは違ったなというのが率直な感想である。
老人が金庫を破り強盗すると言った目新しい作品であり、且つ実話ベースという事もあって期待していたが、強盗部分の詳細らこの作品においてあまり重要でなく、そこらのシーンを丁寧に描かれていたり緻密さは全くない。
強盗後の彼らの分け前をはじめとした内部でのゴタゴタを老人ネタを存分に織り交ぜてコメディ要素強めに、そして彼らの会話劇を楽しむような作品であった。
残念ながらこれらの部分を全く楽しめなかった僕にとっては退屈さを感じる作品となってしまった。
この様な強盗ものには付き物である警察に追われる展開もこの作品においては重要ではない為、
強盗部分逃走部分が重要でないとなるとやはり話の展開も大きな展開はなく、一つ一つの小さなやりとりのシーンを淡々と見せられる為合わないとやはり長さは感じる。2時間ドラマを見ているような気分であった。
俳優陣を楽しみ、そして会話劇を楽しめるようであれば楽しい作品になるのだろう。
世界的にも珍しい犯罪の実話なだけにもっと彼らの犯行手口や犯行後の生活の詳細を知りたい気持ちが強くなった。
ボスの器
引退していた泥棒の王と呼ばれた爺さんが、嫁の死を切っ掛けに知人の若者に声をかけられて、昔の繋がりを集めてハットンガーデンの貸金庫を襲う話。 「ハットンガーデン・ジョブ」と同じ事件が題材で、犯行そのものも見どころだけれど、それはまだ切っ掛けで、その後のドラマを楽しむ作品。 荒ぶったり欺いたり、曲者達のカマし合いに化かし合いとか、狡猾さとか、一歩離れたところから絡んでいく様子とか、駆け引きがとても好み。 一応コミカルな要素も結構あるけれど、そこはちょっとキレが悪くて、締めもイマイチ物足りなかったけど、なかなか面白かった。
【”剥落の趣”が漂う映画。マイケル・ケインを愛でる映画でもある・・。】
-この映画の、ストーリーはシンプルだ。
2015年に起きた、ロンドン宝飾店の貸し金庫から宝石、現金1400万ポンド(約20~25億円)が盗まれた、実際に起きた「ハットンガーデン事件」を基に描いた作品。
ブライアン(マイケル・ケイン)を始め、平均年齢60歳を越える、身体中に支障を抱える強盗団の姿が、少しの笑いと哀愁を帯びて、描かれている。-
■印象的なシーン
・ブライアンの妻が亡くなり、彼は謎の青年バジルの手引きで、再び犯罪に手を染めるが、仲間達にかつての結束はない。徐々に仲違いして行く彼らの姿。
・仲間に対する猜疑心が募る中、ブライアンは突如、彼らと距離を取る。
ー 感覚で、こいつらとは、仕事は出来ないと感じたのであろう・・。-
・残った、テリーやケニー、ビリー達は、一番若造のバジルの手引きで、何とか貸金庫から、金品、金の延べ棒、札束をごっそりと奪うが、バジルには正当な分け前を与えない。
ー 強盗の矜持も、歳とともに失ったようだな・・。-
・監視カメラなどを効果的に使うロンドン警察は、彼らを追い詰め・・。
ー まあ、自業自得というか君達が、現役時代の時とは、操作方法が格段に向上しているのだよ・・。-
◆ブライアンの且つての仲間ケニーを演じた、トム・コートネイや、表向き魚屋さんだが、盗品換金屋ビリーを演じたマイケル・ガンポンの若かりし頃の映画が、時折挟み込まれる遊び心が、楽しい。
<ブライアン達をまんまと陥れ、最後に笑った新たな”キング・オブ・シーブス”は、誰なのか・・・。(観れば、予想は付きます・・。)
男性は、歳を取ると、猜疑心が強くなる傾向があるそうだが、幾つになっても、仲間は大切にね!。>
頑固
11本目。 お年寄り主演作品を続けて観るとは思わなかったけど、真逆と言ってもいいかな。 盗んで終わりかと思ったら、後日談の方が長い。 年取って頑固だし、まあ金だダイヤだ目にすれば、分からないでもない。 でも盗み終えてから、自分の集中力が切れてしまい、軽くウトウト。 悪くはないけど、ちょっとかったるかったかな。
【行方不明の1000万ポンド(=14.1億円)】
これが実際にあった事件なのだから驚く。 それも、既に監視カメラが、あちこちに設置されていた、つい5年ほど前のロンドンでだ。 (以下、ネタバレ) ↓ ↓ 実行したのは、一人を除いて老人ばかり。 方法は実にアナログで、時間もかかる。 加えて、犯行グループの仲間割れや、疑心暗鬼、顛末など、僕は、逆に生々しく感じられて、面白いと思った。 映画でありがちなカッコいいところは、ほぼ無し。 実は、これが現実なのだろうと妙に納得したりもする。 ただ、裁判に向かうため、スーツに着替えると、じじいとはいえ、さすがブリッツ達で、スタイリッシュだ。 そして、タイトルに書いた通り、行方不明になった資産は多額で、謎も多い。 捕まっていないやつがひとり。 ブライアンは、上訴してるってか⁉️ なぜ、じじい達は犯行を犯さなくてはならなかったのか❓ 余生を考えたら、そんなリスクを犯す必要はなかったはずだ。 なぜ❓ そんなことを考えたら、僕は、なぜか、じじい達に清々しさを感じた。 世の中のじいさん達、きっと老いさらばえるには早いんだよ‼️
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