「老いた悪ガキどもの遊び」キング・オブ・シーヴズ つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
老いた悪ガキどもの遊び
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前半は強盗をするまで、後半は互いが疑心暗鬼に陥るドラマで、毛色がちょっと変わるがどちらも面白かった。
それぞれが自分勝手にお宝をポケットにしまい込む。誰は信用できない彼は信用できないと、これまた自分勝手だ。それは、命の取り合いにまで発展しそうなくらいピリピリしていく。
元々一枚岩の強盗団というわけではなく、仲もよくなさそう。
しかしこの作品が面白いのは、本当に嫌悪し合っている不仲な悪党同士ではなかったところだ。
ラストの裁判直前シーンで、いつものように軽口を言い合いながらも刑期が少なくすむように支え合おうとする。
幾度か挟まれる過去と思われるシーン。彼らは何十年も前の若い時からこんなことを繰り返している。騙して裏切ってなんかをずっと続けながら、またつるんで強盗する。
結局この人たちは体が大きくなり老いただけのクソガキで、軽口も裏切りも全て彼らのおふざけの延長なんだな。喧嘩しながらも一緒にいる悪ガキ集団。永遠の子ども。
警察にも追われ常にギリギリ感のある演出だけども、ハラハラしてしまうことがすでに仕掛けだったんだな。
仲間を出し抜き警察からのがれ金を手にする。彼らにとっては全てがゲーム。誰が一番多く稼ぐかというゲームでしかなかった。
趣味「強盗」という老人たちの集団。
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