「【”剥落の趣”が漂う映画。マイケル・ケインを愛でる映画でもある・・。】」キング・オブ・シーヴズ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”剥落の趣”が漂う映画。マイケル・ケインを愛でる映画でもある・・。】
-この映画の、ストーリーはシンプルだ。
2015年に起きた、ロンドン宝飾店の貸し金庫から宝石、現金1400万ポンド(約20~25億円)が盗まれた、実際に起きた「ハットンガーデン事件」を基に描いた作品。
ブライアン(マイケル・ケイン)を始め、平均年齢60歳を越える、身体中に支障を抱える強盗団の姿が、少しの笑いと哀愁を帯びて、描かれている。-
■印象的なシーン
・ブライアンの妻が亡くなり、彼は謎の青年バジルの手引きで、再び犯罪に手を染めるが、仲間達にかつての結束はない。徐々に仲違いして行く彼らの姿。
・仲間に対する猜疑心が募る中、ブライアンは突如、彼らと距離を取る。
ー 感覚で、こいつらとは、仕事は出来ないと感じたのであろう・・。-
・残った、テリーやケニー、ビリー達は、一番若造のバジルの手引きで、何とか貸金庫から、金品、金の延べ棒、札束をごっそりと奪うが、バジルには正当な分け前を与えない。
ー 強盗の矜持も、歳とともに失ったようだな・・。-
・監視カメラなどを効果的に使うロンドン警察は、彼らを追い詰め・・。
ー まあ、自業自得というか君達が、現役時代の時とは、操作方法が格段に向上しているのだよ・・。-
◆ブライアンの且つての仲間ケニーを演じた、トム・コートネイや、表向き魚屋さんだが、盗品換金屋ビリーを演じたマイケル・ガンポンの若かりし頃の映画が、時折挟み込まれる遊び心が、楽しい。
<ブライアン達をまんまと陥れ、最後に笑った新たな”キング・オブ・シーブス”は、誰なのか・・・。(観れば、予想は付きます・・。)
男性は、歳を取ると、猜疑心が強くなる傾向があるそうだが、幾つになっても、仲間は大切にね!。>