海辺の家族たちのレビュー・感想・評価
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『シュクラン』って言ってもらいたい
僕の貴重な時間を利用して、フランス流偽善的な予定調和ドラマを見たんだから『シュクラン』って言ってもらいたいものだ。
あの『ポルトガルのお散歩映画』に似ている。
フランス映画って時間経過をキチンと描けない演出家が多いような気がする。故郷を捨てた娘が20年降りに故郷に帰ってきたんでしょ?
娘の娘が死んだのも20年も前の事でしょ。日本だったら、◯回忌で法事が数年ごとにある。
『フランス流ブルジョアジーの偽善的行いの一杯詰まった家族の木綱』
こんなフランス人はいない。いないから映画になる。日本人はこんな映画で感動して『おフランスは良いザマス』マルセイユも良いところ♥と過大評価してしまう。しかし、マルセイユはフランスの軍港がある所で、マルセイユに救難ボートで難民が流れ着く可能性は無い。あり得ない。少なくとも、ロマンチックな部分以外もマルセイユにはあると思った方が良い。
『シェルブールの雨傘』と言う映画があったと思うが、ノルマンディー出身の青年がマルセイユ港から出兵する話だったと記憶する。シェルブール雨傘が冬の話だったので、個人的には明るいキラキラした美しさをマルセイユには感じなかった。
我が亡父が倒れた時は、いつ死ぬんだって期待していた。それから、5年も生きた。たから、彼の骨は粉にして海に巻いてやった。ザマァー見ろ!って思っていたが、最近僕もその方が良いと思うようになった。もっとも、マルセイユやイギリスの海は嫌だね。勿論、東京も。インドネシアのラジャ・アンパット諸島かなぁ♥
じわじわくる。
フランス南部の田舎で暮らす、介護が必要な父親のもとに兄弟が集結する。
その田舎でリーズナブルなレストランを営む長男
働いていたところをクビになり、物書き業も頓挫している次男
女優で娘をその田舎で溺死させてしまった傷を負う長女
父親の面倒をみる隣人夫婦と医者の息子
そして次男の才能にほれ込んでいたものの、隣人の息子に鞍替えをする若い女
これは父親を看取ることをテーマにしているのではなく、兄弟それぞれが田舎ののんびりした中で新しい生き方を模索していくことに焦点を当てている。
地元の漁師に求愛されて戸惑うものの、それを受け入れたり、
若い医師と波長が合い、ロンドンで再会を誓ったり、
新しい動きもあるなかで、難民船が漂着し、子ども3人だけが発見されて保護する。
保護した子どもを通して長女と漁師の絆が深くなり、難民問題もさりげなく私たちに問いかけている。フランスは難民を多く受け入れている国ではあるが、はやり全員という訳にはいかない。それなりの審査を経てでないと難しいだろう。そのことも示唆している。
1つ疑問だったのは隣人が夫婦で自死を選んだということだ。
片方のみが残ることへの恐怖と書置きがあったが、ストーリーのなかでそれが他のサイドストーリーと結びつかないように感じた。そのことで若い女との間柄が縮まったが、そのために必要だったのだろうか。
【"此処が、私達の世界の中心" 寂れたマルセイユ近郊のリゾート地に集まった二組の"家族"。徐々に自らの信念、生きる道を見出だして行く姿を静かなトーンで描いた社会派作品。】
- 寂れたマルセイユ近郊のリゾート地に嘗て、皆で建てた海辺の家のテラスで倒れた父親を見舞うために、次兄のジョゼフ、長女のアンジェルは久しぶりに集う。迎える家業のレストランを継いだ長兄アルマン。只、彼らの関係性はぎこちない。そして、彼らの家の遥か上を超スピードで走るTGVが、劇中頻繁に写し出される・・。-
◼️感想
・長兄アルマンは、倒れた父親の介護と、寂れ行く町の姿に心痛め。
・大女優になったアンジェルは若き日にこの街で起きてしまった、"心引き裂かれる悲しき出来事"のために出奔し、町に帰るのは20年振り。蟠りを抱えている。
・次兄ジョゼフは、部門長に昇進しながらもリストラされ、元教え子の若き婚約者との関係性も微妙だ。
- 現代フランスの雇用状況が、垣間見得る。-
・親しくしていた夫婦は、自慢の息子が帰って来るも、彼の経済的支援の話を断り、自分達の信念に従った悲しき行動を取る。
- 現代フランスの繁栄から取り残された人々の、介護に頼らずに、自分達の信念を貫く姿。-
・アンジェルに憧れている若き漁師は、地中海に船を出し、アルマン等に魚を提供している。彼は、アンジェルに求愛するが・・。
- この若き漁師の表情がとても良い。自分の仕事に信念を持っているし、常に笑顔を絶やさない。アンジェルが、彼に惹かれて行く姿。-
・そんなある日、長兄等は山腹に潜んでいた難民(幼き三人の女の子と二人の男の子)を見つけて・・。
- 彼らは、子供達の行く末を真剣に考えて、警察に引き渡さない。語られる捕まった難民達の処遇・・-
<現代フランスが、抱える諸問題(繁栄から取り残された人々。難民問題)を盛り込みながら、登場人物達が新しく生きる世界を見つけ、新たな一歩を踏み出す姿が、爽やかだ。又、彼らが難民の子供達の未来を考え、優しく接する姿も不寛容な世界に成りつつある今だからこそ、心に響くのである。
ロベール・ゲディギャン監督の"現代フランスにおいて、難民について語る事なしに映画を作る事は出来ない。"と言う言葉に社会派監督としての、矜持を感じる作品でもある。>
<2021年6月27日 刈谷日劇にて鑑賞>
年上向けだけど
寂れた入り江に集まった、中年の兄妹
それぞれにいろいろあったけど、そこの説明はそんなになく、
長男は、親の介護
次男は独身
長女は、子供を事故で亡くしているから、寂れた入り江に、若い人がほとんどいなくて、
古い町並みだけど、新しい特急が通る対比で、より取り残されてる感がある
でも、風景は綺麗
淡々と進むなかで、
突然の、親の友人の自殺、
難民の子供の登場辺りで物語が進展してからは、良かった
盛り上がる訳でないけど、年取って、実家に帰ったらあんな感じなのかなと思わせてくれるかなぁ
ラストは、移民の子たち含めて家族になったのかなと思わせてくれる感じ
レビュー通り前半は眠くなった、
やっぱりフランス映画見るタイミング大事(笑)
受入れる心…
告知ポスターと予告編の静かな海辺の町…村?に引き寄せられの鑑賞…
過去に栄えた港町…そこへ父親の病気の為に何年か振りに再会したもう若くは無い3兄妹…
家族の問題は町の人達を巻き込みながら物語は進む…
油断したらコックリ💤落ちてしまいそうな
実に地味な流れに少々退屈さと期待外れ感もありましたが
さびれてしまったと言えど穏やかで煌めく入り江の町には何だか癒された…
そんな入り江からある日入り込んで来た3姉弟…
構成は違えど同じ3姉弟の面倒をみている内に
若くない3兄妹の心の歪みや痛みが溶け始めて行くのが伝わって来た
そんな僅かな希望と再生を2組の兄妹・姉弟に感じ取れた事が利になったザ・フランス映画でした
移りゆく優しさ
脳梗塞なのかな。突然息苦しくさを感じ倒れるシーンから作品は始まる。
その倒れた父の下に町を離れていた娘息子たちが集まる。
父は寝たきりの状態になってしまい娘息子たちは看病を強いられしばらくこの町にいる事となる。
同時に作品の舞台となる町はかつては栄えていたらしいが今は廃れた町となり久し振りに帰ってきた娘息子達は当初は戸惑う。
娘息子達もまた各々の仕事をはじめとしたプライベートにおいて壁にぶつかっており当初はギクシャクした関係となる。この町の寂しい風景と娘息子達の心情がリンクしているが、ストーリーが進むにつれて家族の絆を取り戻していくにつれてどこかこの町の優しさ、大袈裟にいえばかつて栄えていた姿の要因の一部を感じる事なんかもできたりする。
父の病気がきっかけに家族が戻りそこから会話群像劇が進む作品でありストーリーが進むにつれて愛情や優しさが濃く描かれていく展開はとても美しい。
ただ個人的には理解が追いつかないシーンも多々あり少し退屈さを感じてしまった。
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