「120分できちんとスタート地点に戻る物語」ストレイ・ドッグ 惑星さんの映画レビュー(感想・評価)
120分できちんとスタート地点に戻る物語
17年前、潜入操作に失敗して愛する人を失った女性刑事が復讐に突き進む。特殊メイクを施されたニコール・キッドマンの顔がその荒んだ内面を表す。
原題は「Destroyer」、破壊者である。
刑事でありながら情報を得るためなら手段を問わない。終盤、ついに見つけた復讐相手もためらいなく射殺する。しかし、それ以前に破壊されているのは酒浸りになってすさんだ自分であろう。
娘が子供の頃の思い出として語った雪山の記憶。なぜ雪山をさまようはめになったのかよくわからない。しかし、ニコール・キッドマンにおんぶされて雪山を歩くのは美しい記憶に違いない。
物語は少しだけトリッキーな構成だが、120分の物語の軌跡がきちんと円を描いて終わったような印象を受けた。
カリン・クサマ監督はもうずいぶん前であるがシャーリーズ・セロン「イーオン・フラックス」の監督であるらしい。ニューヨーク、ブルックリン生まれの日系人。
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