「世界一ギャラの高い死体役」ストレイ・ドッグ カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
世界一ギャラの高い死体役
私は特殊メイクだと思ったけど、すっぴんだと書いていらっしゃるレビューも散見されますねぇ。見たことあるんですかね。すっぴん。実際、55歳での作品。30歳代と50歳ぐらいのひとり二役みたいなもの。酒浸りのおばさん刑事エリン。よれよれでした。それもそのはず。特殊メイクの死化粧。
娘は16歳。事件は17年前。娘の実父(クリス)が死んだのが、娘が7歳の時で、9年前。8年間ものあいだ植物状態だったのでしょうね。今の別居中の旦那のことも説明不足。ただの事実婚?クリスが死んだ時、気が動転して、親子で真冬の山に行ったらしいです。無理心中ですか?心の準備には充分な時間あったと思うし、変ですよね。この親子の唯一内容のある会話のシーンもとってつけたみたいで、ちょっと不自然でした。
子供の頃から悲惨な人生だったらしいが、そんなシーンもとくに挟まない。刑事だから立派な公務員です。喰うには困らないはずですね。囮捜査で悪党のアジトに潜入する。それも、いとこディフランコが仲間にいる。いとこは彼女が刑事なのを知らないのかなぁ?銀行強盗して金を横取りする計画。しかも、潜入中に相棒の後輩の若い刑事と仲良しになって、妊娠する。カラーインクボール爆発して、使えなくなった金に腹を立てたギャングのボスが銀行に戻ってしまったので、予定と異なる事態になった場合は刑事として行動するという打ち合わせ。追った相棒は簡単に返り討ちにあい、キレイな銀行員も撃たれてしまったのは・・・自業自得ですよね。アホか? しかし、懲戒にもならなくて、毎日二日酔いというか、酒の切れ間がないのに、クビにならないばかりか周りが気遣ってくれる。絶対、お気楽地方公務員ですよね。そして、ギャングのボスがカラーインクのついた紙幣を送りつけて来たからといって、単独で復讐しょうとするのもよくわからない。復讐するならもっと前でしょ。そうこうするうちに、再び銀行強盗が起きてしまう。
服役中に癌になって、情状酌量で出て来た従兄弟のベッドサイドのシーンも、奥さんが買い物に行ってる隙に何しとるんじゃ。さむーい。
アクションシーンもとくになし。
いい歳して銀行強盗しているおばはん(ペトラ)は憐れだったけどねぇ。
原題は Destroyer 、破滅型人生を描きたかったと思いますが、脚本がむちゃくちゃですよ~ よくもまあこんな映画作ったものだし、大女優が主役やるもんだ。
完全に晩節を汚しましたね。
邦題はストレイ・ドック 野良犬ですか。 なかなか苦心したんじゃないでしょうか。
冒頭にダイアーストレイツの曲がかかってたので、ストレイが閃いたのかも。
残念ながら、今のニコール・キッドマンには荷が重かった。
厳し過ぎる?