「正義のメスは錆びつかせない」L.A.コールドケース 室木 雄太さんの映画レビュー(感想・評価)
正義のメスは錆びつかせない
Death Rowの悪行が想像以上に闇深さを誇ったあの時代、暴こうとされない真相に対し、限りなく“事実”に迫った男達の信念。脚本の吟味には慎重なJohnny Deppがチョイスした物語、表面的には熟知していた自分でも、事の実像にここまでの歳月を費やし、風化させずに執着し切り込んだ人物の存在を、本作は浮かび上がらせ、米国市警の実態も含め、私の記憶に刻印された。平穏…アメリカ社会で真実が公になると、関わる人間のそれは遠ざかる典型なのだと思い知る。しかし、彼等の精神性こそ、あの国のナショナリズムを支ているのだ。
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