「「事実」を参考にした「フィクション」」ジョーンの秘密 zem_movie_reviewさんの映画レビュー(感想・評価)
「事実」を参考にした「フィクション」
これは私の率直な印象、感想なのですが、主人公のジョーン・スタンリーに対しては、ポリコレ連中に抱くのと同様の腹立たしさを覚えました。独善的で、欲望を正義という偽りで塗りたくって誤魔化して、開き直るという、人間のクズかよという思いで観終わりました。
その点、ジョーンを演じた老境のジュディ・デンチには年寄りに有りがちな頑迷さも加わり、青年期を演じたソフィー・クックソンには偽善が加わり、両者とも素晴らしい演技でした。いや、なかなかに良かった。
しかし、両主役の素晴らしさと裏腹にストーリーが淡々と流れていくわりに、「余計な」心情描写もふんだんにあって、多少、混乱を来すと同時に、特に山場もなくスッと終わってしまったのが残念です。また、本当に彼女はそういう偽善的な動機でスパイ行為に関わったのか、が、弱い流れ、流れに巻き込まれて行為を正当化していく話の進め方だったのももう一つかなあと。
余談ですが、当時の男尊女卑がありのままに表現されています。
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