「粘り強い信念」バルーン 奇蹟の脱出飛行 KZKさんの映画レビュー(感想・評価)
粘り強い信念
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「西ドイツへ脱出する事が家族の幸せなんだ」この強く粘り強い信念が奇跡の脱出飛行をさせたと思わせてくれる作品であった。
実話ベースという事あってやはり最後の結末というのはある程度想定できてしまう。しかしこの作品は、もしかしたら失敗してしまうんじゃないか…逮捕されてしまうんじゃないか…そんな不安を掻き立ててくれる緊張感が終始あり、没頭して作品を観ることができとても楽しい時間となった。
警察の捜査レベルはやはり今と違う点もある為か、結構再脱出までの時間に余裕があったようにも思えたが、その時間軸に家族の絆、愛情をうまく描かれており飽きさせない。
もちろん気球を飛ばす事においては一度失敗したり、その失敗から足跡を残してしまう事でいくつかのトラブルに見舞われるが、命を賭けた作戦にも関わらず家族間での大きなトラブルはあまり描かれていなかった。
そこには冒頭にも述べたとおり、彼らの中に確固たる強い信念があったからこそ方向性は一つに変わりなく大きなトラブルもなく遂行できたのであろう。
この家族のように脱出が成功した例はほんの一握りであって、多くは失敗し命を落としたという事実がある。
成功と失敗の差にはもちろん計画の確実性、綿密性もあるだろう。
しかしこの作品を見て思うのは何かにチャレンジする時は強い信念こそが大切だと思わせてくれる。
失敗と成功の紙一重の際に最後に味方してくれるのは運である。この運を引き寄せるのは強い信念だと僕は思う。
この辺は気持ちの問題かもしれないが、そういう大切さを再認識させてくれる作品であった。
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