劇場公開日 2020年6月5日

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「お得意様への優良商品」ANNA アナ Ezy Ryderさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0お得意様への優良商品

2021年4月1日
PCから投稿

題材が「冷戦期でCIAだのKGBだの」の映画やったけど、単純な勧善懲悪ではなかった。この手のテーマで"米国作品"やと、大抵「米国=正義、ソ連=悪」みたいな、"結末丸分かり"のベタな公式に終始するけど、この映画はそういう「政治的しがらみ」からの解放がテーマ。ので、最後まで楽しんで観れた。

ただ、こういう筋の運び方やと、「ラストは"主人公の自立か、死ぬか"以外のオチはなくなるかな」的な部分はあり。まあ、でも全然問題なかったけど。

闘う美女の映画は、リュック・ベッソンのお家芸で「何度目やねん?」やけど、これは彼の「固定ファンを満足させるテーマ」として、しゃあない部分あるのかな感。ただ、今作は「現在の結果を観せてから、過去に遡ってタネ明かし」したりと、脚本的に凝っており、それまでの同系統のベッソン作品にはなかった、「要素」が加味されててて、単純な縮小再生産ではなかった。

ツッコミどころは、他のソ連内のシーンでは、ロシア語使ってるのに、「何でKGBの共通語が英語やねん」かな。後、まだソ連時代の話やのに、えらい最近っぽいノートPCとか、USBっぽいのが登場する点。レーニンの肖像画が壁にかかってるシーンがあったが、彼も下にある"最新の資本制商品"を見て、「なんじゃこりゃ」と、絵の中から出てきそうになったろう。

Ezy Ryder