「時代表現に難も想像以上に良質アクション」ANNA アナ Masuzohさんの映画レビュー(感想・評価)
時代表現に難も想像以上に良質アクション
再開後週毎にやっと新作が観られるように
なってきました
相変わらず人は入ってませんでしたが観賞
感想は
面白かったです
アクションも見応えありました
舞台は末期体制下のソ連
軍人を両親に持ちながらその両親は不慮の事故で他界
軍で優秀な実績を積んだアナは失意に夢果て除隊し
クズ男に振り回される毎日
しかしそれにも耐えきれず再び軍に戻ろうと
したところで諜報機関KGB幹部アレクセイの目に留まり
自由を手にするためにアナは工作員・暗殺者として
生まれ変わります
この映画はアメリカとソ連
CIAとKGBの諜報合戦が舞台となっており
KGBトップが強硬派に変わりCIAとの対立が
激化していく最中の物語となります
で、このアナがムチャクチャ強い
軍人の娘ってだけでは説明つかないくらい強い
入隊試験がわりに請け負った任務は渡された銃が弾が空で
多数のボディガードが襲いかかってくるレストランで
たった一人で全員とターゲットを始末してしまいます
ジョン・ウィック並です
そんなアナが暗殺任務でパリにモデルとしてスカウトされ
身分を隠しながらモデルの世界に溶け込んでいきますが
このアナの正体が後々わかっていくよう展開が
組み換えられており少しずつ謎が解けていくよう
作られています
アナは自由を求め任務をこなしていきますが
KGB長官ワシリエフは死ぬまでKGBから抜けられないと
言い渡し叶わぬ願いと知りまた悲観に暮れますが
とある任務でCIAにハメられたことでCIAから二重スパイを
持ちかけられます
アナはそりゃモデル級の美女ですからCIAもKGBの男も
たいがい骨抜きです
最早誰を欺いているやら判らなくなってきますが
次第に互いの諜報機関の利害関係がハッキリしてきます
リュック・ベッソン映画にみられる
少女のようなあどけなさと殺人マシンのような冷たさを
兼ね備えたようなサッシャ・ルスの魅力は高く
スパイらしく様々なコスチュームに身を包む様は映えました
他のキャストも豪華でもういるだけで黒幕感ありありの
ヘレン・ミレンやT-34で大人気になった
アレクサンドル・ペトロフがクズ男役で出てくるなど贅沢
ただ気になったのは米ソ冷戦時代のディティール
クルマ等はよかったのですが
1990年前後でラップトップコンピューターや
USB、2.5インチHDD等が出てくるのはさすがに
違和感がありましたし出てくる携帯電話も小型すぎました
この時期は肩からカバンのようにぶら下げるショルダーホンや
国語辞典くらいの分厚いものが精一杯だったと思います
登場人物の髪型も時代を反映する気は更々無い感じで
展開が時間が進んだり戻ったりを繰り返す関係上
時折どのくらいの時代の話なのかとモヤモヤする感じが
どうしてもノイズ
まあそういう細かな部分はさておき
映画全体は爽快なアクション映画として
仕上がっていたと思いますし
ストーリー自体も先が読めそうでその読みを
どこか裏切ってくる展開は面白かったし
序盤のカーチェイスシーンはCGもおそらく
殆ど使っておらず拘りが感じられましたし
さすがTAXI撮った監督のものだと思わせてくれました
なかなか新作が少ない状況でうっかり飛びつくと
とんでもない地雷を踏んでしまうところですが
これは大丈夫だと思います
おすすめしたいです